豪華な新社屋はアップルの「墓標」になるのか 豪華な新社屋を建てると社運が傾く?
マイクロソフトはビッグ5の中では最も地味に見えるが、ウィンドウズOSやオフィス、サーバーのソフトウエアやクラウドコンピューティングを提供し、世界のビジネスで圧倒的なシェアを持つ。
マイクロソフトが提供するソフトウエアの大部分を通じて、マイクロソフトはグーグルを除く競合他社よりも多くのビジネス関連のデータを吸い上げることができる。ただし今後はパワーポイントなしで済ませる企業が増えるだろうが。
アップルは4強に追いつけるか
ではアップルはどうだろう。確かに、同社のハードウエアは人気が高く、「iPhone」や「MacBook」「iPad」といった製品は今後も売れ続けるだろう。とはいえ、アップルの強力な製品群も、最近はいささかマンネリ化が目立つ。以前なら、iPhoneの新機種が登場すると鳥肌が立つような興奮を覚えた。だが今、この秋に「iPhone 8」の発表を控えても、期待はこれまでの延長の範囲を出ない。
さらに問題なのは、これまでに挙げた4強と比べると、アップルがデータ収集で遅れているとみられる点だ。同社のドル箱であるiPhoneおよび「iOS」がスマートフォン市場に占めるシェアは20%にすぎない。残り80%のスマートフォンユーザーに関するデータは、グーグルが占有しているということだ。
アップルには、検索やソーシャルネットワーク、大規模なオンライン小売業、クラウドなどデータ収集に役立つサービスがない。音声アシスタントのSiriも、今ではアマゾンのアレクサやグーグルの音声サービスに遅れを取っている。
このように、データ収集に関わるあらゆる分野で、アップルは4強に劣る。とくに機械学習が主流となった今では、絶え間なく流入するデータの量によって、勝者と敗者の差は広がる一方だ。
アップルが今後、アルファベット、アマゾン、マイクロソフト、フェイスブックという4強に追いつくシナリオはなかなか見いだせない。
誰もが欲しがる優れたハードウエアを販売する事業は、今後も長きにわたり、実入りの良いビジネスとして続いていくだろう。それは、自動車や冷蔵庫の製造販売が良いビジネスになりうるのと同じだ。