豪華な新社屋はアップルの「墓標」になるのか 豪華な新社屋を建てると社運が傾く?

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一見すると、ビッグ5の業種はバラバラに見える。アップルはハードウエア、アルファベットは検索エンジン、マイクロソフトはソフトウエア、アマゾンは小売り、フェイスブックはソーシャルメディアだ。だが実際は、5社ともデータ集めで熾烈な競争を繰り広げている。製品であれ、サービスであれ、人々が5社の商品を使えば使うほど、顧客データが集まる。ビッグ5の今後の成功は、顧客や世界に関するデータを、いかにたくさん吸収できるかにかかっている。

時価総額でアップルに次ぐ2位につけたアルファベットは、驚きのデータ収集サービスを張り巡らしている。グーグルの検索エンジンのシェアは90%。まるで、人類が今何に興味を持っているかをリアルタイムで表示する電光掲示板のような存在だ。

さらにアルファベットが所有するサービスや製品は、インターネット閲覧ブラウザのグーグル・クロームやGmail、グーグル・ドキュメント、ユーチューブ、グーグル・マップ、グーグル・カレンダーなど多岐にわたる。世界のスマートフォンの80%がグーグル製のアンドロイドOSを使っているから、ユーザーはアルファベットに膨大なデータを提供することになる。

フェイスブックの強みは、人間関係や人柄など、私たちがグーグルには見せない個人的な情報を把握していることだ。フェイスブックの世界全体のユーザー数は、傘下の対話アプリWhatsAppや写真共有サービスのインスタグラム、オキュラスVRヘッドセットのユーザー数を除いても、ざっと20億人に上る。

しかもフェイスブックは世界有数のニュースサービスに成長しており、数十億人のユーザーが「いいね!」や「シェア」をクリックするたびに、独自のソフトウエアを使って世の中の出来事や世論の動向、トレンドを知ることができる。

顧客の購買傾向に関するデータ収集ではアマゾン

顧客の購買傾向に関するデータ収集では、アマゾンの右に出る企業はない。それを可能にしたのが、データの保存・分析などを行うクラウド事業「アマゾン・ウェブ・サービス」(AWS)だ。

アマゾンは米動画配信大手のネットフリックスなど数千社の新興企業や大企業にAWSを提供することで、逆にそうした企業のデータを覗き見ることができる。

さらに今後は、自社の音声認識技術「アレクサ」がクラウド分野で欠かせない個人用の音声アシスタントとして普及し、ユーザーの生活全般に関するデータ収集が可能になると見込んでいる。

次ページではアップルはどうなのか
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