5月も今日で終わり。6月に入ると夏のボーナス(賞与・一時金)が支給される企業もあるだろう。
一方、そんな給料やボーナスは長い間でいくらもらえるのかを積み上げて考えないと、本当の差は見えてこない。東洋経済オンラインは、独自に算出した全上場企業の「生涯給料」を全国7地域(北海道・東北、東京除く関東、東京、中部、近畿、中国四国、九州沖縄)に分けてまとめた。新卒で入社して定年まで働いたときに取得できる総額だ。
これまで「東京都トップ500社」「東京都ワースト500社」「東京除く関東321社」「近畿578社」を紹介してきたが、第5弾として「中部」に本社を置く会社のランキングをお届けしよう。
集計の対象としたのは、『会社四季報』に掲載しているうち、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県の各県に本社を置く企業421社。2017年4月末までに上場廃止となった会社のほか、単体の従業員数が20人に満たない場合や、平均賃金の発表がない企業は除いている。
各社直近の有価証券報告書の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成26年度賃金構造基本統計調査」の5歳刻み賃金額(所定内給与+賞与)から業種分類ごとに賃金カーブを算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて試算した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基本データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるため、単体の年収数字となっている。本社の中枢機能を担う社員しかいないケースが多く、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある純粋持ち株会社も一部除いている。
中部421社の平均は2億0534万円
1位はファナックの5億5528万円。工作機械用NC(数値制御)装置で世界首位のメーカーで、産業用ロボットなどでも強い超優良企業として名高い。2位豊田通商(3億5036万円)、3位岡谷鋼機(3億4148万円)、4位トヨタ自動車(3億2249万円)、5位DMG森精機(3億1277万円)などを突き放してダントツだ。
中部はトヨタグループをはじめとする有力なメーカーが多い。そのほか、新潟放送(6位、3億0552万円)、福田組(11位、2億9393万円)なども上位に目立つ。
421社の生涯給料を単純平均すると2億0534万円。東京の2億1807万円、近畿の2億1835万円より若干落ちる。生涯給料では2億円は目安といわれる。その1.5倍となる3億円以上は7社と中部全体の2%弱となった。
一方、特にランキング下位企業の中には、平均年齢が極端に高くなっているケースなど、会社によっては専門職や定年後の再雇用社員などを集計対象に含み、平均年収や平均年齢との関係から、推計値といわゆる正社員の実態との乖離がある場合もありうる点には注意いただきたい。