64億円、21億円、20億円――。たとえ上場企業でも小ぶりな会社なら、これぐらいの年間売上高の会社は珍しくない。これは何の数字か。日本の上場企業役員が得た役員報酬のトップ3である。
欧米では高額な役員報酬が社会的な問題として指摘されるが、日本企業の役員報酬も近年は高額化している傾向がある。東洋経済が刊行する『役員四季報』は3600社超、4万人超の上場企業役員についてさまざまなデータを収録しているが、そのうち年1億円以上の役員報酬を得ている上場企業役員530人をランキングにして紹介しよう。
1億円以上の役員報酬を得ている上場企業の役員は、その事実を有価証券報告書への記載で開示する義務がある。今回の集計対象は、2015年5月~2016年4月に本決算を迎え、1億円を超える役員報酬を得た役員を有価証券報告書で開示した上場企業だ。ランキングは役員報酬総額に加えて、退職慰労金(一部は制度打ち切りに伴う計上)などの内訳も可能なかぎり記載した。
3月期決算の上場企業が最新の有価証券報告書を公表しているタイミングの中で、約1年のタイムラグがあることはご容赦いただきたい(ランキング中の役職名も原則当時)。
あの電撃退任のニケシュ・アローラ氏が断トツ
1位は、ニケシュ・アローラ氏。米グーグルの最高事業責任者から、孫正義ソフトバンクグループ社長の後継候補として2014年9月に入社しながら、2016年6月に電撃退任して話題になった人物だ。さまざまな報酬を合わせてなんと64億7800万円もの金額を得た。
続いて2位には米国セブン-イレブンのトップであるジョセフ・マイケル・デピント氏が、21億8700万円(セブン&アイ・ホールディングス取締役)でランクイン。ソフトバンクグループ取締役のロナルド・フィッシャー氏が20億9600万円で3位に入った。10億円超は5位のカルロス・ゴーン氏(現在は日産自動車会長)を入れて5人。うち4人が外国人経営者だ。一般的なサラリーマンが生涯に稼ぐ生涯給料で一つの目安となる2億円以上は123人に上った。
かつてに比べると、日本でも外国人社長やプロ経営者がトップに就任する例も増え、高額な報酬をもらうケースも出てきている。東洋経済オンラインは昨年も同じランキング「『年収1億円超』の上場企業役員503人リスト」(2016年6月27日配信)を公表している。一昨年は対象人数が443人だったことを考えると、日本でも超高額な報酬を得ている上場企業役員は確実に増えている。
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