毎月25日が給料日という会社は少なくないだろう。給料日3日前の今日あたりは、財布のひもを締めがちになっているビジネスパーソンもいるだろう。
そんな給料やボーナスは長い間でいくらもらえるのかを積み上げて考えないと、本当の差は見えてこない。東洋経済オンラインは、独自に算出した全上場企業の「生涯給料」を全国7地域(北海道・東北、東京除く関東、東京、中部、近畿、中国四国、九州沖縄)に分けてまとめた。新卒で入社して定年まで働いたときに取得できる総額だ。
これまで「東京都トップ500社」「東京都ワースト500社」「東京除く関東321社」を紹介してきたが、第4弾として「近畿」に本社を置く会社のランキングをお届けしよう。
集計の対象としたのは、『会社四季報』に掲載しているうち、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県の各府県に本社を置く企業578社。2017年4月末までに上場廃止となった会社のほか、単体の従業員数が20人に満たない場合や、平均賃金の発表がない企業は除いている。
各社直近の有価証券報告書の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成26年度賃金構造基本統計調査」の5歳刻み賃金額(所定内給与+賞与)から業種分類ごとに賃金カーブを算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて試算した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基本データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるため、単体の年収数字となっている。本社の中枢機能を担う社員しかいないケースが多く、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある純粋持ち株会社も一部除いている。
578社の平均は2億1835万円
1位は大阪に本社を置くキーエンスの7億2959万円。2~4位(日本商業開発、朝日放送、伊藤忠商事)の5億円台を大きく引き離して断トツ。全国的にも知られる超高給企業で、FAセンサーが主力のメーカーだ。平均年収1777万円(平均年齢36.1歳)と全国トップクラスでもある。
上位には医薬系や不動産、化学などの企業が目立つ。近畿圏の中心部である大阪府に本社を置く企業が多く、トップ10に大阪府以外で食い込んでいるのは9位の任天堂(3億4890万円)ぐらいだ。登記上の本社を大阪に置きつつも東京をメインに事業活動を行っている会社も少なくない。
578社の生涯給料を単純平均すると2億1835万円。東京の2億1807万円とほぼ同等だ。生涯給料では2億円は目安といわれる。その1.5倍となる3億円以上は23社と近畿全体の4%程度となった。
一方、特にランキング下位企業の中には、平均年齢が極端に高くなっているケースなど、会社によっては専門職や定年後の再雇用社員などを集計対象に含み、平均年収や平均年齢との関係から、推計値といわゆる正社員の実態との乖離がある場合もありうる点には注意いただきたい。