新卒で入社して定年まで働いたときに取得できる総額である「生涯給料」。東洋経済オンラインは、独自に算出した全上場企業の生涯給料を全国7地域(北海道・東北、東京除く関東、東京、中部、近畿、中国四国、九州沖縄)に分けてまとめた。
2016年11月末に公開した「全国ランキング」の地域版第1弾として4月30日に配信した「生涯給料『東京都トップ500社』ランキング」には多方面から反響が寄せられた。給料やボーナスは長い間でいくらもらえるのかを積み上げて考えないと、本当の差は見えてこない。そのうち、日本の首都であり、最大の人口を誇る東京都に本社を置く上位企業の高給をうらやんだ人も少なくないだろう。
第2弾は、東京都に本社を置く下位500社の生涯給料ランキング最新版をお届けしよう。
東京都は会社数が多く、企業や読者の一部から「トップ500でランキングをすると、まるで500位が低いように見える」「給料の高い会社ばかりではなく、高くない会社の情報も知りたい」という指摘があり、それに応える意図もある。
集計対象としたのは、『会社四季報』に掲載しているうち、東京都に本社を置く上場企業1532社。2017年4月末までに上場廃止となった会社のほか、単体の従業員数が20人に満たない場合や、平均賃金の発表がない企業は除いている。
各社直近の有価証券報告書の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成26年度賃金構造基本統計調査」の5歳刻み賃金額(所定内給与+賞与)から業種分類ごとに賃金カーブを算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて試算した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
専門職や定年後の再雇用社員などを含む会社も
グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるため、単体の年収数字となっている。本社の中枢機能を担う社員しかいないケースが多く、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある純粋持ち株会社も一部除いている。
1532社の生涯給料を単純平均すると2億1807万円。2億円は生涯給料として1つの目安といわれており、東京都の平均はそれよりも高くなっている。本ランキングで2億円を超えてくるのは408位以下となった。
利益率の高くない事業を手掛けていたり、業績が苦しかったりと生涯給料が高くない会社の事情はそれぞれ。ただ、千代田区や新宿区、港区など超都心部で高給企業が多い地域にも意外と生涯給料が高くない会社がある。
一方、平均年齢が極端に高くなっているケースなど、会社によっては専門職や定年後の再雇用社員などを集計対象に含み、平均年収や平均年齢との関係から、推計値といわゆる正社員の実態との乖離がある場合もありえる点には注意いただきたい。