「ダメ出し上司」の頭の中はこうなっている なぜあなたは目の敵にされるのか?

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それからは、その上司だけでなく、資料や企画を出すときは、ストーリーを書き出して、上司や関係者に事前に確認するようになりました。「このページでこれを言う。証明するにはこのデータを加工」といった具合にページごとに書き出す。完成に近いところまで作ってしまわずに、ちょくちょく上司に確認を取り、アドバイスをもらいながら進めるようにする。そうすると、「筋が悪い」とはほとんど言われなくなりました。

このやり方は①の場合も対応できます。本来の目的やゴールを誤って認識してしまっていても、着手する前にシナリオを作って確認を取れば、「そうじゃなくて、目的はコレだよ」と指摘してもらえます。①でいつも手戻りする場合は、仕事の依頼を受けたらなるたけ早く、自分なりに誰に何を伝えたい資料なのかだけでも書き出して、「この認識で合っていますか?」と確認を取り、アドバイスをもらってしまうのも手だと思います。

使い勝手や決裁者のタイプまでを想定する

こういうプロセスを踏んでいると、依頼者の「流儀」や「好み」、たとえばデータは最後にまとめて添付するほうが説明しやすい人なのだな、とか、文章が少ない資料が好みだな、とか、使う人の使い勝手や決裁者のタイプまでを想定して資料や企画が作れるようになってくると思います。これも、決済や承認が取れるかどうかの大事なポイントです。

私は自分に部下ができてからも同じように、「下書きで見せて」「シナリオを箇条書きで書き出して見せて」とまずオーダーすることにしていました。そうすれば、大きく狙いがずれても手戻り少なくやり直せるし、シナリオが少しずれてしまっている場合は、軌道修正の指示を出すのも簡単です。

とはいえ、それですぐ解決、というほど簡単とはいえず、若手の部下に1度、同様に指示したところ、たっぷり考えたようなのに「目次」「現状」「課題」「解決策2つ」「見積もり」とだけ書いたものを見せられて、頭を抱えたこともありましたね。「シナリオだからもう少し細かくね、たとえば……」と一緒にシナリオを考えることになってしまい、部下が自分で作った資料ではなく、私の指示書に沿った資料になってしまいました。「シナリオを書き出してみて」という指示の根本が理解されていないと、こういったことも起こってしまうので、シナリオがどういうものか、確認し合えるとスムーズかもしれません。

あなたの上司の場合はどうでしょうか。確かに単にダメ出ししたいだけの上司もいるのかもしれません。けれども、具体的にダメ出しするのが難しいくらい、根本的にずれているか、あるいは完成形に近いところまで作り込んでしまっているか、どちらかだという心当たりがあるとすれば……。そうだとすれば、あなたや同僚の方たちの仕事の進め方を変えるだけで、きっとストレスは軽減されるはずです。

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