そもそも、会社組織とは、社員を階層別に分け、そして仕事を分業することを前提にしている。その階層に応じて、権限や役割が変わってくる。「予算執行の決定権は課長以上」「プロジェクトの進捗状況は、係長が管理する」といった具合だ。近年は、階層が何層にもわたるピラミッド組織から、階層を減らしたフラットな組織へと変える会社も多いが、階層別の分業制を採っていることに変わりはない。
この制度において、「誰が偉いのか」と「どの程度の権限を持っているか」をはっきりさせるために生まれてきたのが、「役職」である。
一般的には、次のような順序で、位が上がっていく(出世していく)ことが多い。
課長相当職を「マネジャー」、係長相当職を「リーダー」、と横文字の呼称を使う会社も多い。ややこしいのは、地方自治体や銀行などで使われている「主査」「主務」といった役職だ。地方自治体の場合、多くは、主事→主任→主査(係長相当)→主幹(課長相当)→参事(部長相当)→参与(局長相当)といった序列になっている。
「○○補佐」「○○心得」のポジションは何のため?
しかし、やっかいなのは、民間企業が、公務員と同じ順序になっていない点だ。主事が課長相当職であることもあれば、主務という役職が設けられていたりする。その主務が部長相当職かと思えば、平社員と同等だということもある。銀行のなかには、主任の次に、「調査役」という非管理職ポジションが用意されている会社もある。
さらに、役職に、「副◯◯」「◯◯代理」「◯◯補佐」「◯◯心得」「サブ◯◯」というような言葉をつけて、多様な役職を設けている会社も少なくない。その理由は「権限の違いを明らかにするため」でもあれば、「昇進によって、急に権限が大きくなる不安を和らげるため」ということもある。
役職について、押さえておきたいことがある。それは「権限と役職が連動しているとは限らない」ということだ。
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