「教育技術」で子どもの成績は向上するのか 米国の学校で導入進むエドテックの実力は

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実際の人生では、何かを達成するためには、その目標に固執しなければならず、すべてが一瞬で終わるようなことはない。何でも「クリック」で前に進んでいくスピード感に慣れてしまうと、遅々として進まない状況に我慢できなくなってしまうとゴス校長は言う。

前述のベルト氏の学校のように、米国では数学にエドテックを導入する例が増えているが、マドローナでは今でも、テクノロジーを使わずに教えている。「私たちは、トレンドや一時的な熱狂に流されない。それでも成功している生徒も多く、私たちの手法がうまくいっていることは証明されている」(ゴス校長)。

技術と編み物、教育に影響を及ぼすのは?

取材中、日本の中学校2年生にあたる8年生の科学の実験記録帳を見せてもらったが、その緻密さは目を見張るものがあった。生徒たちは実験対象をよく理解したうえで、手描きのイラストと文章で実験結果をわかりやすく説明している。

エドテックを積極的に導入している学校に勤めるベルト氏から見ても、マドローナの教育はすばらしいという。テクノロジーを導入しなくても、質の高い教育ができることには同意している。しかし、ベルト氏は同時に、大学入学前にテクノロジーの利用方法を学ぶこともまた不可欠だと指摘する。その理由について、30歳前半で仕事を始めた自身の子どもたちを例に挙げた。

「娘たちがテクノロジーを使いこなせなかったら、仕事で成功できていたかわからない」と彼女は言う。「いまやどの業界でも、テクノロジーを使いこなせることが前提となっている」

もっとも、教育で最も重要なのはテクノロジーでも、編み物でもないことを、ビル・ゲイツ氏が的確に指摘している。「テクノロジーはただのツールにすぎない。子どもに協力を促したり、子どものモチベーションを高めたりするのには、教師が最も重要な役割を果たす」。

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