ふくしまで女の子たちが悩んだり、こうした活動をしていたことは、まだ知らない人もいるかもしれない。だからこそ、情報発信は大切だ。
マキちゃんやふくしまの方々、そして僕らは、福島から人がどんどん離れていったり、将来、心ない差別が起きやしないかと心配している。
そんなとき、「ふくしまって桃がおいしい」「会津木綿がかわいい」という具合に、地域のアイデンティティを発信しておいて大勢の人から共感を得ていれば、いまいましき事態の抑止力になるかもしれないと彼女たちは考えたのだ。
「そういうことなら、いくらでも手伝うよ。一緒にやろう」
こうした計画を聞いて、僕は即答した。もともと福島の復興にかかわる人たちの集まる合宿のようなところで、マキちゃんと僕は知り合いになった。ただ、以前の彼女たちは情報発信などはやっていても、具体的な事業プランが定まっていない状態だったので、個人的に応援したい気持ちはあっても、企業であるヤフーが事業としてかかわることは難しかった。
しかし、ビジネスがあれば、コラボするのに何も問題ない。
まず僕らが協力を呼びかけたのは、毎年、紅白歌合戦のコピーを作るなど活躍しながら、同時に社会貢献系の企画もたくさんプロデュースしている電通のコピーライター・並河進さんだった。彼は電通の社内プロジェクト「GAL LABO(ギャルラボ)」も担当している。
実は、僕とマキちゃんは、どんな商品を作っていこうかと話していたとき、偶然にも「CharityPinky Ring」というアクセサリーで途上国や被災地の支援をするプロジェクトを見ていて、「これ可愛い」「このプラン、パクっちゃおうか(笑)」と話していたのだった。
そのことを並河さんに話したところ、「あのプロジェクト、僕たちがやってるんだよ。パクらなくていいから(笑)一緒にやろうよ」と言ってもらえた。
復興関係のビジネスが失敗する理由
こうして、女子の暮らしの研究所×GAL LABO×ヤフー(復興デパートメント)というコラボで、ふくしまの素敵なカケラを世の中に届ける、「ふくしまピースプロジェクト」が始まることになった。その第1弾が「ふくいろピアス」。
「ふくしま女子と東京女子が力を合わせる」ことになり、GAL LABOではさっそく有志を募ってくれた。そして、ふくしま女子らが構想を練ったプランやコンセプトを基に、企画に賛同した東京女子2人がキャッチコピーやデザイン、ロゴなどを作ってくれることになった。彼女たちは通常の業務と並行して、電通のCSRの一環として無報酬で参加してくれた。
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