ネットで一般から。ビジネス資金調達の新潮流 元NHK堀潤氏も活用するクラウドファンディング
個人や団体が何らかのビジネスを立ち上げる際、必ずついて回るのが資金調達だ。いくらアイデアや能力、意欲があっても、おカネがなければ始まらない。ただ、特に個人がまとまったおカネを集めるのは大変で、金融機関から借りるか、ツテを頼って特定の企業やお金持ちの知人に出資してもらうなどの手法が、これまでは一般的だった。
一方、ITネット社会の進展とともに、資金調達の新たな潮流が生まれてきている。「クラウドファンディング」と呼ばれる手法だ。個人や団体がネット上で一般の人から幅広くおカネを集める仕組みである。欧米など海外で爆発的に拡大しており、世界全体の市場規模は昨年(2012年)で27億ドル、今年(13年)はほぼ倍増すると見込まれている。日本にも複数のサイトがあり、プロジェクト1件あたり1000万円を超える資金を集めるケースも出ている。
新サイト「シューティングスター」が始動
この注目分野に新しいサイトが登場した。6月12日にオープンした「ShootingStar(シューティングスター)」がそれだ。NPO向けの寄付をクラウドファンディング方式で手掛ける「ジャスト・ギビング・ジャパン」を運営するベンチャーのJGマーケティング(本社・東京都港区)が手掛けている。
仕組みはこうだ。新しいプロジェクトを立ち上げたい個人や団体(プロジェクトオーナー)が、「シューティングスター」上で実現したいプロジェクトを提案。そのアイデアに賛同する一般の人(サポーター)が、プロジェクトに必要な資金を拠出する。プロジェクトオーナーは拠出した金額に応じてサポーターに「ギフト」と名付ける「お礼をする」(JGマーケティングの佐藤大吾社長)。ギフトは現金ではなく、有形・無形のサービスなどさまざまで、アイデアとギフト次第で資金調達できるかどうかが決まるというワケだ。
運営会社のJGマーケティングは集まった資金の2割を手数料として受け取る。ただ、目標金額に達しなければ決済はされない。「プロジェクトが成立しなくても、ネットで情報発信したことで、ベンチャーキャピタルなどが出資を申し出るようなケースもありうる」と佐藤社長は言う。