人気沸騰!「料理動画」はこだわりの塊だった 急成長するデリッシュキッチンの舞台裏

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

レシピ開発に当たってもう1つ重視しているのが、家庭で料理をする際に発生しがちな課題を解決するメニューを提案することだ。

その一例が、「大量消費」レシピ。大根やキャベツなどは、少量で買うより丸々1つ買うほうが割安だが、単身や2人世帯では消費するのに時間がかかり、腐らせてしまうケースがある。そういったロスが発生しないよう、定番の食材を大量に消費できるメニューを考案、旅行へ出掛ける人の多い連休前などに重点的に配信しているのだ。

そのほかにも、1人暮らしの人向けの「スタミナ満点レシピ」「少ない食材でできる簡単レシピ」や、レパートリーが少ない人向けの「アレンジ・リメイクレシピ」など、あらゆる側面から料理の課題解決を提案。アプリでは「みつける」のページ内でテーマごとの動画の一覧も見ることができる。

当初は「30分レシピ動画」だった

吉田大成代表はかつてグリーの役員を務めていたが、退職してエブリーを立ち上げた起業家だ(撮影:梅谷秀司)

こうした細かな工夫が奏功し、ユーザー基盤を拡大してきたデリッシュキッチンだが、初めから順風満帆だったわけではない。「サービス開始当初は30分もある動画を作っていたが、再生回数が10とか100にしかならず、これはマズいということになった(笑)」(吉田代表)。

そこからユーザーの視聴動向を分析し、SNSでシェアさせる「1分動画」へと一気に軌道修正をした。今後はレシピの検索や保存などでより使い勝手をよくしたアプリへの集客も加速する。「ユーザーの反応を見ながらどんどん変えていこう、というスタンス」(吉田代表)だという。

会社としてはまだ投資フェーズを抜けていないが、食品・飲料メーカーなどからのタイアップ広告収入は、競合から頭一つ抜け出る規模に育っているもようだ。一気にライバルを突き放せるか。それはやはり、移ろいやすいユーザーの心をがっちりとつかみ、日々改善を続けていけるかにかかっている。

長瀧 菜摘 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ながたき なつみ / Natsumi Nagataki

​1989年生まれ。兵庫県神戸市出身。中央大学総合政策学部卒。2011年の入社以来、記者として化粧品・トイレタリー、自動車・建設機械などの業界を担当。2014年から東洋経済オンライン編集部、2016年に記者部門に戻り、以降IT・ネット業界を4年半担当。アマゾン、楽天、LINE、メルカリなど国内外大手のほか、スタートアップを幅広く取材。2021年から編集部門にて週刊東洋経済の特集企画などを担当。「すごいベンチャー100」の特集には記者・編集者として6年ほど参画。2023年10月から再び東洋経済オンライン編集部。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事