人気沸騰!「料理動画」はこだわりの塊だった 急成長するデリッシュキッチンの舞台裏

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肝心のレシピ開発はどのように行っているのか。デリッシュキッチンの菅原千遥編集長は「みんなでアイデアを出し合い、撮影の1週間ほど前には準備し、すべて事前に3段階のチェックを行っている」と話す。

デリッシュキッチンのレシピは、さまざまな角度からチェックされ、採用されている(写真:デリッシュキッチン)

1段階目は衛生面、安全面のチェック。調理の過程や保存・飲食の段階で食中毒などを起こす可能性がないか、常勤の管理栄養士をはじめ専門家の目を通して確認する。

2段階目はメニュー自体の魅力のチェックだ。料理としておいしく作れるか、作りたくなるようなレシピかを、季節や時流も加味し、料理本を出版した経験のある調理師などが加わって検証する。

これらは紙の料理本などのレシピ開発でも、多少基準が違えど当たり前に行われていることだろう。最も特徴的なのは3段階目、デリッシュキッチンとして出すのにふさわしいレシピになっているか、という項目だ。

「ちくわを3センチに切る」がNGの理由

レシピは基本的に、すぐ手に入る食材や一般家庭にある調味料を使って構成する。たとえばエスニック風の料理を提案する際、ナンプラーや特殊な香辛料を必要とする場合が少なくないが、その味をほかの調味料の組み合わせで代替できないか検討するという。

食材の切り方はもちろん、説明の仕方にも気を配る(撮影:梅谷秀司)

「この食材・調味料は絶対NGと決めているわけではない。ただ、本当にそれを買ってまで作りたいレシピかどうか、突き詰めて考えている」(菅原編集長)

レシピの表記方法にもこだわる。具体的には、食材の切り方を説明する際、ニラやネギなら「3センチに切る」で問題ないが、ちくわなら「3センチに」とはせず「3等分に切る」などとする。忠実に3センチずつ切ると、中途半端に余ってしまうためだ。料理に慣れている人なら当たり前に対応できるが、初心者も含め幅広いユーザー層を抱える同社だからこそ、気配りを怠らない。

チェックは食材関連以外にも及ぶ。「コンロが同時に何口も必要だったり、調理過程で洗い物が増えすぎたりということがないか、実際に作る人が困らないように、レシピを調整している」(菅原編集長)。

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