あの穐田氏が会長に、オウチーノの勝算は? 元クックパッドの敏腕経営者はどう再建する

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穐田氏はクックパッド取締役を退任、オウチーノ会長として同社の経営再建に乗り出す(記者撮影)

高校野球でたとえるなら、甲子園の常連校がひしめく県の無名校に、数々の実績を残してきた名監督がコーチ陣を引き連れて就任するという状況だろうか。

不動産情報サイトを展開するオウチーノは3月29日、定時株主総会を開催した。創業者である井端純一社長は退任。昨年12月にTOB(株式公開買い付け)によって議決権ベースで57%を保有する筆頭株主となったクックパッド前社長の穐田誉輝(あきた・よしてる)氏をはじめ、3名の元クックパッド執行役、現任の取締役1名が取締役に選任された。

その後の臨時取締役会で、穐田氏は取締役会長に就任することが決定。社長は元クックパッド執行役の堀口育代氏が務めることになった。穐田氏はクックパッド創業者の佐野陽光氏と経営方針を巡って対立、1年ほどお家騒動が続いていたが、3月23日に取締役を退任している。

カカクコムで社長を務めた穐田氏

会長に就任した穐田氏は、投資家、経営者として実績を残してきた人物だ。青山学院大学経済学部を卒業後、ベンチャーキャピタル大手の日本合同ファイナンス(現・ジャフコ)に入社。ベンチャー企業への投資や市場調査などを担当した。

その後はベンチャーキャピタルを設立し、家電などの価格比較サイトを展開するカカクコムに出資。2001年には自ら同社社長に就任し、2003年10月にはマザーズ上場に導いた。

その後、クックパッドの社外取締役を経て、2012年5月に社長に就任。最終的には創業者の佐野陽光氏と対立し退任したものの、「食のプラットフォームを目指す」と宣言して事業の多角化を進め、業績の急拡大を牽引してきた。

穐田氏を知るあるベンチャーキャピタリストは、「掲げた目標を達成するために最大限の努力をしなくてはいけないという厳しさを持ち、社員のモチベーションをあげることも非常にうまい経営者」と評する。

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