語学も資格もムダになる「長寿化+AI」時代 「いま役に立たないこと」が価値を生む

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こうした時代の流れをチャンスだと思えるかどうか。「AIのせいで雇用を奪われるとか言うけど、これはチャンスだと思う」とポジティブに考えられる人にとっては、AI時代はチャンスです。

たとえば社会保険労務士や税理士などもAIに取って代わられる可能性が高い職業ですが、AIと組み合わせることで大きなチャンスが生まれます。

今、AIと会話ができるチャットボットが注目されていますが、今後は「社労士ボット」「税理士ボット」などといった具合に、専門知識を持って会話形式でコンサルティングができるようになるかもしれません。自分の知識とAIとの組み合わせでこれを開発した人は、大きな富を手に入れることができるでしょう。

一方、こうしたAIの技術的進化によって失業する人も出てきます。経済学で、これは「技術的失業」と呼ばれています。

たとえばバーテンダーも、ただ酒を作って客に出すだけなら、AI(ロボット)でもできるようになる。しかしバーテンダーが全員、職を奪われるかというと、そうはなりません。なぜなら場の雰囲気を和ませるとか、客を笑わせる会話だとかは、人間の感性がわかっていないとできないからです。これがAIにはまだまだ難しい。したがって、これからの時代は、AIを使いこなす側になるか、あるいは人間くささを高めるか、そのどちらかになっていくと思います。

「問題解決」より「問題発見」が重要になる

また、これから最も重要になるのは、「問題発見力」だと私は思っています。なぜなら、こればかりはAIができないことだからです。たとえば起業するにしても、まず問題を発見することがスタート地点です。いわば商売のネタ。世の中を見渡し、誰が何に困っているのか、どこにどんなニーズがあるのか。

これを解決するためにどんな方法論を取るかは人それぞれです。問題解決は人間の得意分野でもある。しかし、AIでもできるようになりつつあります。つまり問題を解決することより、発見することのほうが、はるかに難しいのです。

とはいえ、万人にその能力があるわけではありません。また、その力が育まれたとしても、誰もが起業しようと考えるわけではありません。言い方を換えれば、誰もが起業のリスクを取れるわけではないということです。

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