カルビー松本会長「労働時間の減少は必然だ」 働き方改革の旗手が考える日本の課題
労働時間が減っていくのは必然
今後1人当たりの平均労働時間は確実に減っていきます。その過程で週15時間労働に近づいていくのは間違いありません。経済学者ケインズが1930年にすでに「2030年に人々の労働時間は週15時間になる」と予言していたと『隷属なき道』にはあります。そして、そうなっていくのは、必然だと言うのです。
大きな要因は「機械」です。AIやIoTの技術を駆使すれば、多くの産業で働き手としての人が必要なくなる、そんな時代に差し掛かっています。まず産業革命で、第1次機械との競争がありました。その中で、織物工場が蒸気機関によって誕生し、これまでの手作業による織物工がいらなくなるというように、人間の労働は機械によって置き換えられていきました。それで、労働時間は産業革命以来、順調に下がっていったのです。
そして、現在は、AIやIoTを駆使したロボットによって第2次機械との競争が始まっており、ここでも労働時間が減る。
農業ではトラクターや刈り取り機もすでに無人で走っています。製造業もどんどん自動化している。そして人海戦術だと考えられてきた第3次産業でも変化は起こっています。私はジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人社長を務めた経験から、若手医師の外科離れを防ぐNPO法人の代表をしていますが、外科医の労働時間も新しいテクノロジーが進んでいる分野では短縮しています。
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