安保理閣僚級会合、米中の「ズレ」が鮮明に 北朝鮮問題で米国は「行動」、中国は「対話」

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 4月28日、国連安保理は北朝鮮問題を巡り閣僚級会合を開催した。写真は議長を務めるティラーソン米国務長官。(2017年 ロイター/Stephanie Keith) 

[国連 28日 ロイター] - 国連安保理は28日、北朝鮮問題を巡り閣僚級会合を開催した。議長を務めたティラーソン米国務長官は、北朝鮮のミサイル・核開発を抑制しなければ「破滅的な結果」を招くと訴える一方、中国、ロシアは武力行使による問題解決には否定的な立場を示した。

トランプ政権は中国が影響力を行使し北朝鮮を抑制しているとして、最近の取り組みを評価する立場を示していたが、中国の王毅外相は「朝鮮半島における核問題の解決は中国の手だけにかかっている訳ではない」と主張。「今は対話再開を真剣に検討すべきときだ」と訴え、北朝鮮問題に対する米中の溝があらためて売り彫りとなった。米国は対話再開前に核開発の抑制を北朝鮮に求めており、行動よりまずは対話を優先させる中国と意見の相違がある。

ティラーソン長官は北朝鮮の決議違反に対し、対話で報いるべきではないと指摘。安保理が行動していれば核問題はここまで悪化していなかったとし、「世界で最も差し迫った安全保障問題に対し、今行動しなければ破滅的な結果を招く恐れがある」と述べた。

米国は北朝鮮の体制転換は求めず、対話を通じた解決を望むとしながらも、「ソウルや東京への核攻撃は現実の脅威であり、北朝鮮が米国本土を攻撃できる能力を備えるのも時間の問題」とした。その上で、北朝鮮が核やミサイルの開発を続けるなら、すべての選択肢を排除しないとの米政権の立場をあらためて主張した。

ロシアのガティロフ外務次官は、北朝鮮は米韓共同軍事演習や朝鮮半島沖への米国の空母打撃群派遣などにより脅かされていると感じていると指摘。武力行使は「絶対に許容できない」との立場を示した。

ロシアと中国は韓国への新型迎撃ミサイルTHAAD(サード)配備についてもあらためて反対を表明した。

岸田文雄外相は、北朝鮮を国際社会の交渉の場に戻すには、挑発的行為には高い代償を伴うとの強いメッセージを送るべきだと述べた。

ティラーソン長官は閣僚級会合後に中国の王毅外相と個別に会談。「米中両国に共通する問題である朝鮮半島情勢への対応を巡り、中国が米国ともに建設的に取り組んでいることを歓迎する」と述べた。

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