――山本さん、お笑いトリオ・東京03の角田晃広さんにちょっと似ていますね。やる気になればすごくモテるはずですけど、今の山本さんには恋愛方面のやる気はないことを女性に察知されているのかもしれません。ちなみに、読書会でモテるのはどんなタイプの男性ですか?
10年以上読書会を運営してきてわかったのは、女性と男性には(話すスタンスに)違いがあることです。課題本に関してそれぞれ感想を述べるのですが、女性は自らに引き寄せて話します。本の内容に関して、自分はどう思ったのか、自分の体験とどのように重なるのか、ですね。
男性の場合は、批評や分析に終始することが多いですね。弱みを握られたり恥をかいたりしたくないという気持ちが強いのでしょう。自分をさらけ出すような話をする人は少数派です。女性の参加者が「ウィキペディアに書いてあるようなことを滔々(とうとう)と話されても面白くない!」と不満に思うことも少なくありません。たとえ読書家であっても、知識のマウンティングをするような人は評判が悪いですよ。
読書会というのは本の話をしているようで結局は自分を語っているんです。マウンティングはせず、卑屈にもならず、課題本を切り口に面白く自分を語れるスマートな人がモテると思います。
深いところでお互いの人間性をつかめる
――面白く自分を語るスマートな男性は確かにすてきです。でも、初対面だと緊張して難しいのではないでしょうか。
読書会の参加者は「人見知りなので……」と言う方がすごく多いです。でも、人見知りが普通だと私は思います。知らない人と話すのが得意だなんてむしろ気持ち悪いですよ。
見知らぬ人との会話でストレスになるのは、共通の話題を探り合わなければならないことですよね。「どこに住んでいるのか」とか「仕事は何をしているのか」などを聞いたりします。深い会話はなかなかできません。
読書会のいいところは、みんなが同じ本を読んでいるので共通の話題を探す過程をショートカットできることです。すぐに会話が始まり、いくらでも続きます。読書会に参加して、初対面の人と軽々と話をしている自分に驚いて帰っていく人が少なくありません。
さらにいいことがあります。先ほど申し上げたように読書会では自分自身を語るので深いところでお互いの人間性をつかめること。たとえば小説には必ずと言っていいほど恋愛シーンが出てきますよね。そのシーンを話題にすれば、初対面の人とでも恋愛やセックスについて問題なく話すことができるのです。だから、読書会をきっかけに親しくなって恋愛や結婚に発展するケースが増えているのだと思います。
――今までに40組以上のカップルが誕生していると聞きました。
私に報告をしてくれた人の数だけでも43組なので、実際の数はもっと多いと思います。最初の3年間はカップルになる人はいなかったのですが、最近は2カ月に1組のペースで誕生しています。婚活を目的とした会ではないのですが、うれしいことですよ。
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