61. “味覚分布地図”説を最初に提唱したのはD.P.Hanig(ヘーニッヒ)というドイツの科学者で1901年のことだった
62. また味蕾ごとに味の分担があるという説も否定され、1つの味蕾が5 味すべてに対応することがわかっている
63. 味蕾の数が多く、味を敏感に感じる「スーパーテイスター」は人口の25%程度存在するといわれる
64. 試薬(苦味)を使った味覚テストでは、人口の約25%はこの試薬の味を感じることができない「ノンテイスター」。残り75%は程度に差はあれ苦味を感じることができる
65. その苦味を感じることができる人のうち25%が、さらに敏感な「スーパーテイスター」に分類される
66. スーパーテイスターの割合は、女性35%、男性は15%
67. 人種的にはヨーロッパ系よりアジア・アフリカ系でスーパーテイスター率が高いとの説もある
68. スーパーテイスターは平均的な味覚の持ち主より3倍ほど強く味を感じると推測されている
69. ストレスがあるときは、唾液の中にリン脂質が多く含まれるようになり、苦味を感じにくくなる
70. 運動後は酸味の感度が鈍るといわれる。これはだ液の成分が変化するためと考えられている
味覚障害の原因は?
71. 味覚機能が低下・消失したり、逆に過敏になったり、本来の味覚が感じられない状態を味覚障害という
72. 味覚減退や味覚消失のほか、解離性味覚障害(甘みだけ感じられない)、異味症・錯味症(しょう油が苦く感じる)など味覚障害の症状はさまざま
73. 味覚障害の原因として最も多いのは栄養成分(亜鉛)の不足で、約7割を占める
74. 病気(ストレスによる症状や肝機能障害)、口腔乾燥症(ドライマウス)が味覚障害の原因となる場合も多い
75. その他、薬の副作用、生活習慣(過度の飲酒・喫煙、味の濃い食品のとりすぎ)などが一因としてあげられる
76. 強い精神的ショックやうつなどによる心因性の味覚障害も報告されている
77. 国内における味覚障害の事例は1990年代には14万人、2000年代には24万人と増加傾向にある
78. 東京医科歯科大学の研究グループの調査で、塩味・甘味・酸味・苦味の4つの味のうち、いずれかの味覚を正しく認識できない子どもが約30%という調査結果も
79. 同調査で、とくに酸味を認識できない子どもは21%、塩味を認識できない子どもは15%にものぼった
80. 味覚障害を起こしている小児は、味の濃い加工食品や人工甘味料入りの飲料を頻繁に摂取している傾向がある
無料会員登録はこちら
ログインはこちら