「味覚」の真実をどれだけ知っていますか 100章の蘊蓄を語れるほど、奥が深い

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知れば知るほど意外と奥深いのです(写真:tkc-taka / PIXTA)
モノ情報誌のパイオニア『モノ・マガジン』(ワールドフォトプレス社)と東洋経済オンラインのコラボ企画。ちょいと一杯に役立つアレコレソレ。「蘊蓄の箪笥」をお届けしよう。
蘊蓄の箪笥とはひとつのモノとコトのストーリーを100個の引き出しに斬った知識の宝庫。モノ・マガジンで長年続く人気連載だ。今回のテーマは「味覚」。あっという間に身に付く、これぞ究極の知的な暇つぶし。引き出しを覗いたキミはすっかり教養人だ。
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01. 味覚は「基本味」とも呼ばれる5つの味質、すなわち、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味に分類される

02. 基本味とは、ほかの味を混ぜ合わせて作ることのできない独立した「味」

03. 味覚は、味蕾に受容体が存在するものとして定義される

04. ギリシャのアリストテレスは味を塩味、甘味、酸味、苦味、厳しさ、鋭さ、荒さの7種に分類したと伝えられる

05. 西洋では長く塩甘酸苦の「4基本味」説が支持され、「うま味」が基本味のひとつに認められたのは最近のこと

06. うま味が発見されたのは1908年。東京帝国大学(現東京大学)の池田菊苗博士が昆布だしに含まれる味の成分「グルタミン酸」を発見し「うま味」と名付けた

07. 2000年、米国マイアミ大学ニルパ・チャウダリ教授チームが、舌でうま味を感知する受容体を発見。基本味として国際的にも認知された

08. 欧米の言語では「うま味」に相当する表現が存在しなかったため、日本語の「umami」がそのまま使用されている

09. 現在は英語の「savory」(肉料理の風味がある)など各
国の語で「うま味」を表現するようになっている

10. うま味物質として、他にイノシン酸(1913年、鰹節から抽出)、グアニン酸(1957年干し椎茸から抽出)などが、いずれも日本人によって発見されている

舌にある味蕾とは?

11. アミノ酸系のうま味と核酸系のうま味が食品中に混在すると、うま味は互いに味を強め合う相乗効果をもたらす性質があり、市販のうま味調味料はこれを利用している

モノ・マガジン5月16日号。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

12. 東洋医学では、五行説による「五味」として甘味・鹹(塩)味・苦味・酸味・辛味があげられている

13. 辛味は、生理学的には舌にある味細胞で感じる「味覚」ではなく、「痛覚」を刺激して感じる味

14. カプサイシンを受け取る受容体が最近見つかったが、それは温度に応答するタンパク質であった

15. 渋味は生理学的には味覚ではなく「触覚」として扱われ三叉神経によって伝えられる

16. 食物を味わうときは味覚のみならず嗅覚、触覚、温度感覚なども関与し、それらを総合した感覚を「風味」と呼ぶ

17. 「美味しさ」は、舌ではなく大脳皮質で認識されている

18. 人間は食物を口にしたとき、それに含まれる化学物質の一部を、おもに舌にある味蕾という器官で感知している

19. 舌の表面に舌乳頭と呼ばれるざらざらした小さい突起が多数存在する。味蕾はこの舌乳頭の部分に集まっている

20. 味蕾は舌の表面以外に上顎の奥(軟口蓋)やのどにも分布している

次ページ年齢と味蕾の数
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