「勉強は無意味」と思う子を変える「立体思考」

社会との接点を自然と考えられるようになる

【線思考→平面思考へ】

線思考で文脈や前後のつながりが見えるようになってくれば、次は、全体像が見える、平面思考の段階にどう進めていくかです。国語や英語であれば、文章全体が何を言っているのか、数学であれば、全体がどういう分野で構成されていて、どのようなつながりがあるかということです。この平面思考にするためには、「要するに何を言っている話?(WHAT)」「全体としてどういう流れになっているの?(HOW)」と聞けばいいのです。そうすると平面的思考へと移行していきます。

質問をして考える場を与える

【平面思考→立体思考へ】

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では平面思考→立体思考はどうでしょうか。ここが今回のテーマですね。立体思考は、身の回りの出来事と連結させることですが、どう繋がっているかを直接教えてしまってはいけません。教えてしまうと、折角の「考えるチャンス」を失わせてしまいます。そこで、次のような質問をして考える場を与えてあげましょう。

国語や英語であれば、その内容について「どんな話なの?」「その内容についてどう思うの?」と批評させていきます。批評すると、その文章の意味と自分の経験や世の中とがつながります。

理科や社会では「どんなことを勉強しているの?」「それがわかるとどんなことに役立つのかな」と聞いてあげましょう。このように問われると、関係性に焦点が当たります。そうすると社会とのつながりを見いだす可能性があるのです。

数学の場合だけは特別で、中等教育では内容が記号などで抽象化されてしまっているため、最も身の回りの出来事と大きくかけ離れてしまっています。直接的な繋がりが見えないため、「考え方」が将来役立つことを示唆します。因数分解の分解思考、証明の論理的思考、図形の構造化思考など、実際の生活で多くの大人が使っている思考が、実は数学で培われているということを話してあげるといいでしょう。ただ、数学の場合は、大人でも苦手な人が多いため、抵抗がある場合は、「考え方が役立つ」という程度でいいかもしれません。

以上、点思考から立体思考までのお話をしてきましたが、これらの質問に、子どもが、さっと答えられなくてもいいのです。質問内容は実に単純で、当たり前のことばかりですが、「教えるのではなく、考えさせる」というアプローチを使えば、とりあえず意識は質問されたことに集中し、相手は考えだします。何か世の中のことと接点があるという前提で考えるようになります。

すると思考の型が変わりはじめ、聞いたこと、見たこと、学ぶものが徐々に立体的に形成され、社会との接点を見いだす可能性を高めます。中野さんのお子さんには、このようなことを参考にされて、質問してあげてみてください。きっと何か変化が起こることでしょう。

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