エアラインや旅行会社の系列企業の人気は高く、トップ100全体を見るとANAエアポートサービス(11位)、JALスカイ(18位)、エイチ・アイ・エス(25位)、近畿日本ツーリスト(55位)、ANA成田エアポートサービス(64位)、日本旅行(67位)などが顔を出している。
さらに旅行関連で見ると、41位の東海旅客鉄道(JR東海)や44位の東日本旅客鉄道(JR東日本)、77位の西武グループをはじめ、鉄道関連企業もランクインしている。
最近の学生からすれば、JALが2010年に会社更生法を申請したことや、西武鉄道が2004年に上場廃止になったことは、歴史上のことであって、企業選択にはまったく影響がないようだ。
エアライン・旅行人気について、ある私大のキャリアセンター職員は「エアライン・旅行関連企業は積極的にインターンシップに取り組んでいるので、その成果がランキングに反映されたのではないか」と推測する。
若者のクルマ離れの影響はここにも
ランキングで意外なのは自動車世界トップクラスのトヨタ自動車が85位に甘んじていることだろう。理系ランキングでは4位だが、文系人気は今ひとつといえる。
これについて前出のキャリアセンター職員は、「若者のクルマ離れの影響ではないか」と言う。理系学生は研究対象として自動車に向かい合うことがあるものの、自動車を意識しない学生生活を送る文系学生が多いので、ランキング上位にはたどり着かない。ちなみに日産自動車もホンダも100位には入っていない。
電通は昨年が34位で今年は35位とほぼ横ばい。文系と理系を合わせた総合ランキングでも昨年35位で今年が41位と横ばい。同社は女性新入社員の過労自殺で世間の非難を浴びた。当時の石井直社長が辞任しただけでなく、法人としての電通と幹部1人が労働基準法違反の疑いで東京地方検察庁に書類送検された。
しかし、就職人気には、たいした影響が出ていない。2020年の東京五輪に関係した仕事をしたい学生にとって、電通が東京五輪のマーケティングの専任代理店であることは大きな魅力のようだ。また、今回の自殺事件を契機に、働く環境がより整備されるだろうと予測する学生もいる。
そのほか目立ったところを挙げると、テレビ朝日が前年の166位から一気に34位に順位をあげたこと。しかし、テレビ局人気が復活したということではない。テレビ朝日以外で100位内にランクインしているのは、日本放送協会(NHK)(70位)とテレビ東京(95位)の2社のみだ。
かって大人気だったフジテレビをはじめ、東京キー局や大阪準キー局は100位内に入っていない。就活の世界ではもう、テレビ局が普通の会社になったことを物語っている。
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