そんな地方暮らしを目指す転職を支援しているキャリアアドバイザーに取材したところ、
「20代のうちは首都圏で働くことで地方ではできない貴重な経験を積むことが可能。U・Iターン転職はある意味でキャリアダウンのイメージがあるのも否定できないので、あえてお勧めはしていません」
との回答が返ってきました。大都市で働いた経験を地方で生かせる状態になったら転職を考えてください……ということなのかもしれません。
確かに大都市で働くことで得られる情報や人脈にはかけがえのないものがあります。あるいは大都市にはハイクラスな求人が集中して存在します。たとえば、株式公開の準備をする最高財務責任者(CFO)、大企業の経営企画、金融系の専門職など挙げればきりがありません。
地方で採用するケースも出てきたが…
最近は東京本社の企業が戦略的な開発や研究拠点としてハイクラスの人材を地方で採用するケースが出てきました。ただ、全体的な件数は、まだわずか。あるいはハイクラスではなくとも、大都市ゆえ先端的だったり、目新しい仕事をする機会が多いのは明らか。
取材した外食チェーンで働くDさんは(26歳)は、都内にある基幹店舗に所属。海外からのインバウンド旅行者へのサービスのために英語を勉強。あるいは最新メニューのテストマーケティングにかかわる機会を得ています。将来的に地元飲食店で働くことを想定して、学びの機会にしているようです。20代を大都市で働いて過ごすことは将来に向けての財産を得るチャンスといえるのかもしれません。
では、30~40代で地方にU・Iターン転職を決断した人たちは高い満足を得ているのでしょうか? 筆者が取材していくと、満足している人が半数以上など、多いと感じます。ただ、満足している理由で上位を占めているのは家族が喜んだ、趣味・余暇の時間が充実した、生活の利便性がよくなったなど、生活環境に関することが大半です。もちろん、すばらしいことなのですが、仕事面で満足していると回答してくれる人は少ないのが実情でした。
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