地方の私大を公立化する「ウルトラC」の成否

大学、学生、自治体みんながハッピー?

山陽小野田市立 山口東京理科大学/今春の一般入試の志願者が前年度の約3倍に急増した山口東京理科大学。2018年4月には薬学部も新設される計画だ
大学が、世間と隔離された「象牙の塔」と言われたのはまさに「今は昔」。国からの補助金も削られ、若年人口も減少する中、自ら「稼ぐ」ことなしに生き残りを図れない傾向が強まっている。働く環境の悪化に苦しむ教職員。経営難の地方私大の中には「ウルトラC」の離れ業で大逆転を狙うところも出てきた。例えば、経営難に苦しむ地方の私立大学が「公立化」で復活する例が各地で起きている。ただ、そのカラクリには危うさも潜む。

突如として人気校に

過去10年近く定員割れが続いていたのに、今春いきなり倍率が約8倍という「狭き門」になった大学がある。その名は、公立大学法人山陽小野田市立山口東京理科大学。

落語の「寿限無」とまでは言わないが、大学名の長さとしてはおそらく、日本一だろう。

同大は1987年、旧小野田セメントなど地元経済界の要望を受けた山口県、小野田市(当時)、宇部市が、東京理科大学に働きかけて誘致した私立の「東京理科大学山口短期大学」が前身。95年に4年制の「山口東京理科大学」となり、今年4月、大学の設置者が、これまた合併で生まれた山陽小野田市に変更された。

定員200人、工学部のみの単科大学だが、学生が思うように集まらず、短大時代から黒字の年はなし。学校法人内で埋め合わせしていた累積赤字は90億円近くに上っていた。

そんな大学を突如、人気校に変えたマジックが「公立化」だ。

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