地方の私大を公立化する「ウルトラC」の成否 大学、学生、自治体みんながハッピー?

突如として人気校に
過去10年近く定員割れが続いていたのに、今春いきなり倍率が約8倍という「狭き門」になった大学がある。その名は、公立大学法人山陽小野田市立山口東京理科大学。
落語の「寿限無」とまでは言わないが、大学名の長さとしてはおそらく、日本一だろう。
同大は1987年、旧小野田セメントなど地元経済界の要望を受けた山口県、小野田市(当時)、宇部市が、東京理科大学に働きかけて誘致した私立の「東京理科大学山口短期大学」が前身。95年に4年制の「山口東京理科大学」となり、今年4月、大学の設置者が、これまた合併で生まれた山陽小野田市に変更された。
定員200人、工学部のみの単科大学だが、学生が思うように集まらず、短大時代から黒字の年はなし。学校法人内で埋め合わせしていた累積赤字は90億円近くに上っていた。
そんな大学を突如、人気校に変えたマジックが「公立化」だ。