悪夢に取りつかれているとしか思えない現政権は、ついにGDP600兆円とか本気で言い始めました。これだけ経済が爛熟した日本で、高度成長よろしくGDPを政策目標数値にするというセンスのなさはどうでしょう。
戦後、日本の人口は1.8倍も増えました。だからこそ、1.4倍しか増えなかったドイツをGDPで抜いただけであって、もし人口がドイツと同じ程度の増え方だったらいまだにドイツを抜いていません。少子高齢化が加速し人口減少が不可避の日本で、GDPという指標を経済成長のメジャー(尺度)に使うこと自体が愚かです。誰か教えてあげてください・・・。
衝撃的だった9月の個人消費支出
一方、読者のみなさまの周りでは景気の良い話が聞こえてきますか?(もっとも東洋経済の読者様は大企業勤務の方が多いようなので本当に景気が良いのかもしれませんが)。私の見る限り状況はまったく逆で、GDPの60%を占める消費はどんどん収縮しています。非正規労働者の比率はついに全体の40%までになってしまいました。1985年ころ(私が就職したころです)せいぜい10%台だったものがこのありさまです。
経団連が夏のボーナスが前年同月比2.81%プラスと発表したので??と思っていたら、9日に発表された厚生労働省の統計ではなんとマイナス2.8%となっていました。要するに経団連に属するような大企業のボーナスだけが増えたのです。
それを象徴する数字があります。
二人以上世帯の個人消費支出でありまして、9月は前年同月比マイナスの27万4309円。これは消費増税後の影響がもろに出た2014年5月の27万1411円以来の低い消費支出。東京以北で棚から商品が消えてしまった震災直後の2011年3月の消費支出29万1900円を大幅に下回っているという事実を政府はどう説明するのでしょうか。
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