会社は、自分がやりたいことをやらせてくれない。真剣に自分のキャリアのことを考えてくれない。でも、食っていくためには、会社の言うことを聞かなければならない。自分はこのままずっと"会社の言いなり人生"を送らなければならないのだろうか……。
やりたいことができないのは会社のせい。思いどおりのキャリアを描けないのも会社のせい。自力で道を切り開こうとする前に、会社に人生を預け、組織と"従属関係"に陥ってしまっていないだろうか。
そこで今日は、大企業のリソースを使い倒すことで自ら成長し、その能力を会社に還元することによって、組織と"互恵関係"を築いている変人を紹介しよう。
巨大組織を乗りこなす「エース」パイロット
ズシーンッ! 衝撃とともに砂ボコリが舞い上がる。踏み出した一歩に大地が大きく揺れる。「大企業はこうやって乗りこなすもんだ」と言わんばかりに、巨大なモビルスーツが動き出した。その巨体から繰り出される一手一手が、世の中に大きなインパクトを与えている。ドデカイ機体を巧みに乗りこなすのは、いったい、どんなパイロットなのだろうか。
コックピット(操縦室)の扉が開くと、1人の女性が姿を現した。その名は、清藤美里。「パナソニックビューティ」の代表商品であるナノケアドライヤー、頭皮エステをはじめ、さまざまなビューティ製品を世に送り出してきた人物である。清藤さんの活躍するフィールドは国内にとどまらない。現在は、全世界に向けた商品企画や戦略作りに携わっている。
そんなことができるのは、フツーの人とは違うスーパーウーマンだからだと思われるかもしれない。しかし、はっきり言おう。それは大きな間違いだ。清藤さんは組織の壁にぶち当たるたびに歯を食いしばり、いくつも血豆や青あざをつくりながら、大企業という名の巨大モビルスーツを自在に乗りこなすようになっていったのである。
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