リオ五輪に関連してオリンピック、パラリンピックの関連広告が目に付く。日常生活を過ごしていると、あらゆるところで目にする広告におカネをかけているのはどんな会社か。東洋経済オンラインは、直近本決算に占める広告宣伝費の金額が多い上位500社をランキングした。昨年同時期にも同じ切り口のランキングを紹介しているが、最新版となる。
1位はトヨタ自動車の4890億円。昨年調査で1位だったソニーを抜いて全体のトップになった。ここ数年、トヨタは広告宣伝費を増やしている。オリンピック関連のテレビCMでも目立つ存在だ。直近でトヨタ自動車の広告宣伝費が最も少なかったのは、2012年3月期(3047億円)だが、2016年3月期までに1843億円ほど増やした。
一方、2位のソニーは3913億円だが広告宣伝費は減少傾向にある。直近ピークが2014年の3月期の4743億円だった。この水準から830億円ほど削減したことになるが、ランキングに併記した売上高広告比率に着目すると、依然として電気機器業界の中で高い比率だ。パナソニック(ランキング9位)と比較すると、金額、売上高広告比率ともに3倍以上の水準となっている。
国内では小売大手に大きな存在感
小売業界でトップ2のイオン(4位1947億円)とセブン&アイ・ホールディングス(5位1763億円)も増加傾向にある。2社は海外展開している製造業大手と比べ国内中心に事業を展開しているので、日本国内の広告主として大きな存在であることが推測できる。
上位には売上規模の大きな製造業が並んだ。2016年4月期までの業績は、円安によって、輸出比率が高い大手製造業は好調だった。こうした業績の好調さを反映して、大手製造業の広告宣伝費も増加傾向が続いている。今年に入り円高が一気に進んだが、3月決算企業であれば2015年4月~2016年3月までを調査対象としているので、円高が広告宣伝費に与える影響については、1年後の調査まで待たなければならない。
このランキングは一般業種を対象に、最新の有価証券報告書(2015年5月期~2016年4月期)の損益計算書および損益計算書関係の販売管理費の注記に記載される数字を取得した。金額が取得できたのは937社。原則として販売管理費の内訳は、販売管理費全体の10%以上を占めた項目しか開示義務がない。企業規模を考慮すれば、広告宣伝費は多いだろうと思われる企業であっても、金額を公表していない場合がある。なお、広告宣伝費と販売促進費が合算値で開示されている場合にはその合計値を用いている。
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