企業の業績で基本となるのは、言うまでもなく売り上げ(売上高)だ。商品やサービスの販売など、企業の主たる営業活動によって得た収益である。定款によって定められた事業からの収入であり、ここを継続的に伸ばしていくことが企業経営の基本であり王道だ。
だが、いくら優れたビジネスモデルや商材、サービスを持っていても消費者の好みや外部環境もさまざまに姿を変える。売り上げを伸ばし続けるのはたやすくない。にもかかわらず、30年近くずっと売り上げを伸ばし続けている会社もある。
東洋経済オンラインは、約3600社の上場企業をすべて網羅している『会社四季報』(2016年夏号発売中)で集計したデータを活用して、「連続増収年数が多い企業」のランキングを作成した。直近本決算までの実績をベースにしており、データがさかのぼれる1990年以降、また上場前後のデータの有無により、その企業の正確な連続増収記録とは異なる場合もあるものの、売り上げを伸ばし続けている会社の傾向をざっと把握できるはずだ。
アークスとニトリが26年連続増収でトップ
1位は26年連続増収のアークスとニトリホールディングス。アークスは北海道札幌市に本社を置く流通グループで、北海道、青森、岩手でトップシェアを誇る。ニトリは全国トップの家具・インテリア製造小売りチェーンだ。ニトリの場合は、1989年の上場前から増収を続けており、最新決算時点で29年連続という記録も持っている。
20年以上の連続増収企業は25社(上場企業全体の約0.7%)、10年以上は131社(同約3.5%)で、本ランキングは過去7年以上連続で売り上げを伸ばし続けている約230社を網羅した。連続増収企業の上位に目立つのは小売業やサービス業だ。
これらは新しい地域に進出し、そこでビジネスを展開するだけで客層を広げられ、売り上げを積み上げやすいモデルではある。一方で、すでに進出した地域での売り上げを守らなければならないため、小売・サービス業だからといって、どんな企業でも連続増収を続けられるワケではない。優れたビジネスモデルはもちろん、競争力の高い商材・サービス、逆に競合相手の少ない独自の商材・サービスなどがないと難しい。