6月8日に配信した「1人当たり売上高トップ500社ランキング」。企業業績で基本中の基本となるのが売り上げ(売上高、営業収益)を、効率的に稼いでいる会社と自分の働く会社を比べてみた読者も少なくないだろう。
言うまでもないが売り上げとは、企業が商品やサービスの提供などの営業活動によって得た収益のこと。業種や業態、企業ごとに売り上げの稼ぎ方はさまざまだ。効率的ではない会社ももちろんある。そこで今回は、逆に「1人当たり売上高が高くない」会社のランキングを作成した。
企業や読者の一部から「トップ500でランキングをすると、まるで500位が低いように見える」「高い会社ばかりではなく、高くない会社の情報も知りたい」という指摘があり、それに応える狙いもある。
その名のとおり、それぞれの企業の直近本決算における売上高を従業員数で割って算出した数値で、全体の売上高、営業損益、平均年収も併載した。従業員数には一般的に派遣やパート、アルバイトなどの非正規社員(臨時従業員)が含まれていないので、実質的な頭数で割り出した数値とは少しズレがあるかもしれないが、企業の営業力や収益性、効率性の目安になる。
赤字など低収益な企業の姿が目立つ
一般的な事業会社と収益計上の概念が異なる金融系(銀行、証券、保険、リース会社の一部)などは除外したため、集計対象は3379社となった。一部のデータは『会社四季報』(東洋経済新報社、最新号が6月13日発売予定)から抜粋した。
ワースト2社の1人当たり売上高は200万円にも満たない。集計してみて驚いたのは、1人当たり売上高が平均年収にも満たない会社がいくつも見受けられることだ。本業の儲けを示す営業損益段階で赤字だったり、わずかな営業利益しか稼いでいなかったりする会社も目立つ。
1人当たり売上高500万円以下は21社。同1000万円未満でみると108社。各社のビジネスモデルをはじめ、事情はさまざまだろうが集計対象企業の平均が約5800万円であることを考えると、本ランキングで上位に入った会社の稼ぎ方はやはり効率的とはいえなさそうだ。