東洋経済オンラインは8月12日配信記事で、売り上げを長年にわたって伸ばし続けている「最新!『連続増収トップ230社』ランキング」を掲載した。売り上げをいかに増やしていくかは、企業の成長にとって欠かせない。一方で、思うように売り上げを伸ばせず、逆に減らしてしまうこともある。需要の減退、競争激化、外部環境の変化など、さまざまな要因がある。
そこで今度は逆に売り上げを減らし続けている会社の最新ランキングを紹介しよう。約3600社の上場企業すべてを網羅している『会社四季報』(2016年夏号発売中)で集計したデータを活用。「連続減収年数が多い企業」のランキングを作成した。
直近本決算までに売上高が過去3年以上にわたって減っている約150社が対象で、直近決算の売上高、営業利益、業種名、設立年なども併記した。昨年も同じ内容のランキングを作成し、対象企業は約170社だったがこの1年で増収に転じた会社のほうが多いようだ。
横浜丸魚は16年連続減収
今回、連続減収年数が最も多かったのは横浜丸魚の16年。神奈川の水産荷受けで、横浜のほか川崎に拠点を持っている。2位は15年連続減収のさいか屋。神奈川の百貨店で藤沢店や横須賀店が主力。最近では2015年5月に川崎店を閉鎖して大きく売り上げが落ちた。3位の小僧寿しは13年連続減収。持ち帰り寿司チェーンの大手だが、回転寿司の台頭やスーパーなどで寿司を扱うお店も目立つようになり、苦戦が続いている。直近ではラーメン店の撤退もあって大きく売り上げが落ちている。
本ランキングの上位企業を見ると、小売・卸売業が多く、すでにビジネスモデルや取り扱っている商材、サービスが色褪せてしまい、外部環境の変化に対して抜本的な手を打てていない企業が目立つ。10年以上の連続減収企業は7社(昨年調査は11社)と上場企業全体の0.2%。5年以上で見ると58社(昨年調査は67社)と同2%弱となる。有名企業で目立つのはいずれも7年連続で売り上げを減らしている任天堂と日本マクドナルドホールディングスだ。
どんな業界、企業であれ外部環境の変化によって、需要が減少する事態はままならない。とはいえ、5年以上にわたって売り上げが減り続けているのは、「経営不振に陥っている」と言われても仕方がない状態といえるだろう。