企業は原則として利益を追い求める存在だ。利益を出せなければ、経営を存続させられないからだ。その利益には会計上いくつかの概念があるが、基本が営業利益。いわゆる「本業の儲け」だ。企業の儲ける力そのものを示す数値といえる。
東洋経済オンラインは、約3600社の上場企業をすべて網羅している『会社四季報』(2016年夏号発売中)で集計したデータを活用して、「連続増益年数が多い企業」のランキングを作成した。昨年も同じ切り口のランキングを紹介したが、最新版となる。
直近本決算までの実績をベースにしており、データがさかのぼれる1990年以降、また上場前後のデータの有無により、その企業の正確な連続増益記録とは異なる場合もあるものの、営業利益を伸ばし続けている会社の傾向をざっと把握できるはずだ。
1位のニトリとヤオコーは26年連続増益
1位は昨年ランキングに続いてニトリホールディングスとヤオコーで26年連続増益。ニトリは全国トップの家具・インテリア製造小売りチェーンだ。ニトリは連続増収でも1位で、1989年の上場前から「増収増益」を続けており、営業増益は最新決算時点で29年連続という記録を持つ。ヤオコーは埼玉を地盤とする食品スーパー。独立系で提案型の売り場づくりに定評がある。
20年以上の連続増益記録を持つのはわずか4社。10年以上でみても25社と上場企業全体の1%未満とひと握り。上位には優良企業の名前が並ぶ。
売り上げを増やし続けるのも、もちろん難しいが、営業利益はもっと困難だ。いくら優れたビジネスモデルや商材、サービスを持っていてもライバルとの競争は常にある。時には採算度外視の値引きで勝負しなければならなかったり、原材料や商品の仕入れ原価が高騰してしまったり、人材を採りすぎて人件費が想定以上にかさんでしまったりなど、想定外の事態もあるだろう。
にもかかわらず、長年にわたって利益を伸ばし続けられる会社は経営力が強い。本ランキングは過去5年以上連続で営業利益を伸ばし続けている約260社(上場企業全体の約7%)を網羅した。昨年のランキングでは同300社だったため、ここ1年で減益に転じてしまった会社のほうが多かったことになる。本ランキングに登場する会社で最も営業利益が大きかったのはブリヂストン(94位、6年連続増益)の5172億円だった。