テスラの工場は「普通のメーカー」と全く違う

フリーモント工場を見学してわかったこと

左右のロボットによって加工される「モデルS」の車体(写真:筆者撮影)

冬のサンフランシスコ・シリコンバレー地域は、大雨に見舞われることが多い。そんな嵐の合間、かろうじて日が差す1月6日金曜日の昼下がり、真新しい電気自動車の行列を見つけた。

シリコンバレーの対岸にあるフリーモント市。雨に備えた早めの帰宅で混み始めた州間高速道路880号線の出口を降りると、そこには「TESLA」の文字が掲げられた広大な施設があった。テスラの広報担当者から「ここにはテスラオーナー向けの無料急速充電器が設置されていて、帰宅がてら、充電していくんですよ」と説明を受ける間にも、充電を終えたテスラ車がスポットを出て、次のテスラ車が入ってくる。

テスラのフリーモント工場にあるスーパーチャージャーステーション。テスラへの充電のみに対応し、無料(写真:筆者撮影)

ここにあるのは、最も大きなバッテリー容量を持つ90kWh(キロワット時)モデルのクルマでも、40分ほどで8割の容量を回復できるスーパーチャージャーだ。30分で170マイル(約274キロ)走る分の電気を確保できる。広報担当者によると「ほとんどのオーナーは、20分ほど充電して出て行く」ようだ。

充電中の車内を覗くと、多くのオーナーは、快適なシートで過ごしている。何をしているのかといえば、ノートパソコンを開いたり、本を顔に被せて居眠りをしたりと人それぞれだ。シリコンバレーにおける“電気自動車がある生活”を垣間見るようで面白い。

しかし、この場所には、テスラ車の充電スポットだけがあるわけではない。そこはテスラに命が吹き込まれる場所なのだ。

シリコンバレーでテスラに乗る意味

シリコンバレー生まれの電気自動車、テスラ。この地でテスラに乗るということは、同じく地元生まれの老舗テクノロジー企業、アップルのコンピュータやスマートフォンを使うことと同じ意味合いを持つ。それはすなわち、地元への尊敬と、実益を兼ねた選択、ということだ。

テスラのハンドルを握って、渋滞し始めている880号線へ滑り出すと、意表を突かれる。時速100キロまで2.7秒しかかからない暴力的な加速を見せるその車が、だらだらと走ったり止まったりを繰り返すシリコンバレー名物の大渋滞にしなやかに順応するからだ。

そう、ここで活躍するのがオートパイロット(自動運転支援)機能である。

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