世界を震撼させる「10月ショック」に注意せよ 「見せかけの株価上昇」のあとに、来るものとは?

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先ほど触れた市場データ分析の「猛者」との会話の中で、非常に面白いと思うことがひとつある。それはこのように公開情報分析の観点から「ありうべき潮目のタイミング」として特定する期日と、この「猛者」が純粋に(=いっさいの主観を排して)公開された数値だけで特定したリスク集積局面の期日とが、ほぼ間違いなく重なっているということなのである。そしてこれらが合わさることで、後者は数値分析という意味での客観的な証拠を提供しつつ、前者はその「意味」を公開情報の示す文脈から説明することが可能になるというわけである。これはわが国の機関投資家およびその付属シンクタンクはもとより、世界中の研究機関でもまだ開発されていないまったく新しいメソッドであると自負している。

外国人が一貫して買っている事実を、無視するな

話を日本マーケットに戻す。――「いつもとは違って見えづらくなってきた」と嘆く「猛者」に対して、私は次のように切り返した。「なるほど。しかしここはやはり基本に立ち返るべきではないでしょうか。まず『外国人』たちが今年(2013年)5月23日のショックにもかかわらず、一貫して日本株を買い増し続けてきたという事実。このことが持つ重大性から押さえていくべきです」

なぜこのことが重要なのかというと、米欧の「越境する投資主体」たちは先ほど述べたとおり「自分のマネーで勝負している」わけではないのが一般的だからだ。つまり彼らの背景には彼らの投資行動によって莫大な収益を上げたいと願って資金を提供している無数の投資家たちが控えているのである。そうである以上、彼らは必ずこの「日本株投資」という(これまでであれば前代未聞の)投資行動を通じて、十二分なほどの収益を上げられると確信しているはずなのだ。

そうである以上、ここで日本株の上昇局面が途絶え、後は崩落し続けると考えるのには、かなり無理あがると言わざるをえない。

そしてもうひとつ。今こそ、いわゆる「復元力の原則」を思い出すべきでもあるのだ。つまりこういうことだ。――もし今、「上げ」がマーケットで顕著であるならば、必ずこれに対する反作用としての「下げ」が、それ相応なスピードで生じることになる。なぜならば「上げ」はマーケットに対する「作用」であり、ほかの森羅万象と同じくマーケットにおいてもそれに対する「反作用」が生じるはずだからだ。つまりこれが「下げ」ということになってくる。

そしてこの原則を応用するならばこうも言えるのだ。将来的に「下げ」が明らかに見える状況なのであれば、むしろそれを惹起させるためにも「上げ」が生じるはず。やや抽象的に聞こえるかもしれないが、このことは「カラ売り」を考えてもらえばわかりやすいはずだ。

つまり、将来生じる「下げ」でカラ売りすることで利潤を得るためには、その分、今はむしろ「上げ」ておくべきだということになってくるのである。そうした高低差がなければ、そもそも「面白いカラ売り」が成立しない以上、「越境する投資主体」はまずは「上げ」を演出すべく派手に動き回る。単純に聞こえるかもしれないが、彼らとその親玉というべき国際金融資本が行っていることは、とどのつまりこのことだけなのである。

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