そして現在=2013年。わが国の政府債務の対GDP比は「200%」を優に超え、悲劇的な状況になっている。「いざ有事」となっても、国内でファイナンスは大いに困難なのである。一方、仮にここでいう「10月ショック」が世界で発生するならば、国際社会のほうがむしろわが国の力を頼ることになるはずだ。するとそこで事の良しあしは別として、わが国の富、すなわち国富が国外へと流出していくことになる。「国際協調」「グローバルガバナンス」「人道支援」といった名目で、だ。
だからこそ、仮にこれを巨視的な観点から食い止め、むしろそうしたグローバルマクロの流れを逆向きへ(「国外から国内へ」)と向けたいというのであれば、生じるべきことはただひとつしかないのである。世界が束でわが国に襲い掛かってくる「10月ショック」以上の巨大なリスクの炸裂、しかも「人知を超えた世界におけるリスクの炸裂」が生じることである。当然、それは巨大なコストを伴うものであり、かつ必ずや「人命」という尊い犠牲までをも生んでしまうものである。――「大地震」という単語が、PCの画面を見つめる私の脳裏に浮かんだ。
「原田さん、少し考え過ぎましたね。酷暑のせいでしょう。まさに真夏の夜の夢。今日のところはブレイクとしませんか」
しばし呆然としていると、市場データ分析の「猛者」がメールで呼びかけてきた。はっとわれに返った私はつくづく思った。「真夏の夜の夢は、あくまでも“夢”であってほしい」と。
しかしそれでも日本株マーケットで暑い「8月の陣」は始まる。「すぐそこの秋に控える瓦落」をにらみつつ、程なくして急激に反転する中で。
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