アベノミクス相場は終わっていない

山崎元が読む、ちょっと先のマーケット

下げ幅は大震災後(11年3月15日)を上回った(撮影:梅谷秀司)

ついに来た「調整」!

息を一杯に吸い込んでみよう。やがて苦しくなって、息を吐きたくなる瞬間が来る。今回の、日経平均株価で、1日に1100円を超える大暴落は、そのように起こったのだろう。

誰しもが思っていたことだろうが、株価の上昇スピードはいかにも速かった。しかも、日経平均は、昨年末近くにやっと1万円を超えたと思ったら、早や1万5000円を超えた。半年足らずの間に、ざっと5割も上昇し、この間、調整らしい調整がなかった。

あとから見ると予兆はあった。新興市場で大幅に上昇した銘柄の株価が崩れていた。新興市場では、ゲームやバイオ関連株など、これまでによく上がっていた銘柄を中心に調整色が強まっていた。

通常の上げ相場なら、さすがに、そろそろ一休みを入れるのが自然な頃合いだ。しかし、主力株がなかなか調整しなかったのは、黒田日銀総裁が「異次元緩和」を発表する記者会見で、株式のリスク・プレミアムに圧縮の余地があると露骨に述べたように(注:ファイナンス理論的には「材料がなくても株価はもっと上がる余地がある」と言っているのと同じだ)、事実上、株価自体が経済を動かすための手段の一つになっていることを市場関係者が肌で感じていたからだろう。

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