「黒田バズーカ砲って、なに?」最近の新聞報道でよく聞く言葉です。が、「何のことやらわからない」という人も多いでしょう。簡単に言えば、政府・日銀がたくさんのおカネを供給することです。日銀がおカネをどんどん刷り、金融市場を通じて世の中に流す。それによって、マネタリーベースを今後2年間で倍増させる。加えて、償還までの期間が長い国債や、ETF、REITもどんどん購入するという大盤振る舞いです。
つまり、「カネ回りがよくなる」ということですが、これで日本経済は本格的な回復へと向かうのでしょうか。副作用の心配はいらないのでしょうか。どうやら、草食投資隊の間では、意見が分かれているようです。
「黒田バズーカ」は、デフレ脱却のためなら許される?
中野 そもそも日銀の金融政策は物価の安定を目標に行っているものですよね。
そこで言われている「安定」は、インフレが起こったとき、それを沈静化させるという意味で用いられるのが一般的であり、物価下落に対しては放置したままでよいというのが、事実上の白川方明日銀前総裁のスタンスだったように思います。
でも、物価は上がっても下がっても、社会構造を歪めるリスクがありますから、デフレを放置した白川前総裁には罪がある。それを全否定したのが黒田東彦総裁であり、今、まさにデフレからの脱却を目指して強烈な資金供給を行っている黒田バズーカは、それなりに評価できると思います。
渋澤 異論。物価安定という意味では、黒田バズーカはナローパス、つまり非常に狭い道を通すような難しい政策だと思うんだな。そのナローパスをマネージするのが、黒田総裁、岩田規久男副総裁、中曽宏副総裁という布陣で、これ以上のチームはないと思うんだけど、実際にやることは、月7.5兆円程度の国債を買い入れるわけでしょ。
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