Xデーは9月か10月、マーケットに大波乱?

黒田日銀の「バズーカ砲」には手放しで喜べない

 「黒田バズーカ砲って、なに?」最近の新聞報道でよく聞く言葉です。が、「何のことやらわからない」という人も多いでしょう。簡単に言えば、政府・日銀がたくさんのおカネを供給することです。日銀がおカネをどんどん刷り、金融市場を通じて世の中に流す。それによって、マネタリーベースを今後2年間で倍増させる。加えて、償還までの期間が長い国債や、ETF、REITもどんどん購入するという大盤振る舞いです。
 つまり、「カネ回りがよくなる」ということですが、これで日本経済は本格的な回復へと向かうのでしょうか。副作用の心配はいらないのでしょうか。どうやら、草食投資隊の間では、意見が分かれているようです。

「黒田バズーカ」は、デフレ脱却のためなら許される?

コツコツ投資を説く「草食投資隊」の地道な活動が、いま実り始めている(セゾン投信社長中野晴啓さん(左)、レオス・キャピタルワークスCIO藤野英人さん(中)、コモンズ投信会長渋澤健さん(右)

中野 そもそも日銀の金融政策は物価の安定を目標に行っているものですよね。

そこで言われている「安定」は、インフレが起こったとき、それを沈静化させるという意味で用いられるのが一般的であり、物価下落に対しては放置したままでよいというのが、事実上の白川方明日銀前総裁のスタンスだったように思います。

でも、物価は上がっても下がっても、社会構造を歪めるリスクがありますから、デフレを放置した白川前総裁には罪がある。それを全否定したのが黒田東彦総裁であり、今、まさにデフレからの脱却を目指して強烈な資金供給を行っている黒田バズーカは、それなりに評価できると思います。

渋澤 異論。物価安定という意味では、黒田バズーカはナローパス、つまり非常に狭い道を通すような難しい政策だと思うんだな。そのナローパスをマネージするのが、黒田総裁、岩田規久男副総裁、中曽宏副総裁という布陣で、これ以上のチームはないと思うんだけど、実際にやることは、月7.5兆円程度の国債を買い入れるわけでしょ。

次ページ黒田総裁への一定評価で始まったが、「ちょっと待った」
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 買わない生活
  • 赤木智弘のゲーム一刀両断
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ウーバーイーツ配達員の過酷
ウーバーイーツ配達員の過酷
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
統合から20年どこでつまずい<br>たのか みずほ 解けない呪縛

みずほ銀行が相次ぐシステム障害で窮地に陥っています。その根底には、3行統合から今に至るまで解決できていない呪縛と宿痾が。本特集ではみずほが抱える問題点をガバナンス面や営業面などから総ざらい。みずほは立ち直ることができるのでしょうか。

東洋経済education×ICT