明日はわが身? と思わせたキプロス問題。大口預金者は、預金額の60%を負担させられるという荒療治に、近い将来の日本の姿を重ね合わせた人は、少なくないでしょう。いや、キプロスが問題というよりも、これはユーロ全体の問題?今回の草食投資隊には、キプロス問題とともに、ユーロの将来像を語ってもらいました。
渋澤 この間、ロンドンとベルリンに行ってきたよ。で、帰国したらサッチャー元首相が亡くなられたというニュースが飛び込んできた。サッチャーさんといえば、最後の最後まで欧州における通貨統合、経済統合、そして政治統合に反対していたよね。
「欧州各国が競争によって、お互いを高め合っていくのはいい。しかし、助け合いではうまくいかない」と、言葉を残した。
欧州とは、結局「ユートピア」?
中野 渋澤さんは欧州の経済統合に反対?
渋澤 いや、そういうわけではないのだけれども、そうとう難しい問題がたくさんあるね。
藤野 僕はユートピア思想だと思っている。
中野 ユートピア思想? 現実味がないってこと?
藤野 欧州各国をひとつにまとめて大欧州を創ろうという話は、昔からありましたよね。でも、それはユートピア思想のひとつ、つまり理想主義だと思うんですよ。何しろヨーロッパというところは、第1次、第2次という2回の世界大戦で大勢の犠牲者を出した土地ですから、その悲劇を二度と繰り返してはいけない。
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