しかし、一体日銀の黒田東彦総裁はどうして誤ってしまったのだろうか。
前回の記事で書いたように、4月4日に発表された黒田新日銀の大規模な金融緩和政策は、国債バブルを予定よりも早く一気に招き、金融市場を混乱に陥れることが明らかだった。
混乱した国債市場は、何を物語るのか
これは、私だけの意見ではなく、市場ではコンセンサスだったようで、翌日5日に国債先物市場、金利市場は大混乱。10年物で0.3%から0.6%への乱高下がおき、国債先物価格が1円以上動くと発動するサーキットブレーカーが2度も発動し、それでもさらに1円近く下がってから、一気に反転した。翌営業日、月曜日の4月8日には、今度は急騰し、1円上昇して、サーキットブレーカーが発動。しかし、またそこから反転し、先週は下落傾向だった。
この事態に対しては、安倍政権内でも問題となり、官邸が、日銀に注視するようにと言った、というコメントも報道された。黒田総裁自身は、国債市場の混乱について、
「長期金利は新しい材料を消化しながら、いわば新しい均衡点を模索していく動きが常にある。今回の金融緩和は量的にも質的にもこれまでと相当違ったものだったこともあり、ある程度ありうる動きだと思っていた。」(日本経済新聞インタビューより)
とコメントしているが、明らかな誤りだ。
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