アベノミクス相場は終わっていない 山崎元が読む、ちょっと先のマーケット

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彼らは社会的な役割として金融仲介機能を十分に果たしていないのだから、あえて、強くいうなら、経営が怪しくなる前の時点でも統廃合の対象にして整理してしまいたいくらいのものだ(私企業なので、そういうわけにもいかないが、規制業種なので方向性は「整理」でいいと思う)。

また、長期金利の上昇は金融機関にとって悪材料になり得るが、彼らが政策投資で持っていたり、あるいは担保として間接に所有していたりする株式は株価が上昇しているだろうし、不動産市況の好転もプラスの効果がある。また、景気が回復すると、融資先の状況も好転するし、金融機関にとって新規のビジネスも増える。加えて、長期金利が上昇することで、新規貸出の金利が上がるので利鞘が好転する効果も期待できる。

金利変動リスクに関するALM的な管理を常識的に行っていれば、金融機関がバタバタと倒産するようなことは考えにくい。パニック論に現実性はない。

株価の位置はどうか?

実際、バブルなのかそうでないのかについては、株価そのものが適正水準に対してどうなのかを、まずは直接見てみるべきだ。

東証1部上場銘柄の平均PER(今期、日経ベース)は5月21日の終値(日経平均は1万5381円)に対して、17.7倍だ。23日の暴落を反映すると、16.7倍見当に下落しているはずだ。東証1部の平均PERは、一時は20倍を大きく上回っていたが、決算発表の進行と共に企業の今期利益予想が出ており、これが大幅に改善しているために、株価が上昇したにもかかわらずPERは低下している。

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