複合的なリスクが重なって、炸裂する?
そうである以上、気になるのが「果たして近い将来、日本マーケット、そして世界マーケットを崩落へと導くような要因があらかじめ見えているのか」なのである。なぜならば繰り返しになるがそこで「下げ」が見えている以上、その前はむしろ「上げ」がわが国として国際社会におけるマーケットでは演出される可能性が極めて高くなってくるからだ。
こう説明したうえで私は、「猛者」に対し、「これから炸裂することになるリスク要因」として次のものを列挙し、説明した:
●米国のデフォルト(国家債務不履行)危機
●英国の不動産証券化バブルの崩落(第2の「サブプライムショック」)
●「ユーロ」崩壊に向けたリスクの急上昇
●アルゼンチンにおける再度のデフォルト(国家債務不履行)危機
●中東における大戦争の開始とその泥沼化
●中国における官製「信用危機」の進展
これらとその後のありうべき展開について、私の研究所はまとまった形で先般公表した次第である(詳しくはHP参照)が、一目見ておわかりいただけるとおり、これらはそれぞれが点と点としてわが国においても報道されているが、「そのようなもの」として語られてはいないものなのだ。そこに国内メディアだけではなく、海外メディアを縦横無尽にチェックし、分析し続けること、すなわち公開情報インテリジェンスの綾がある。
これを聞いて、「猛者」はこう答えてきた。「なるほど。しかし仮に一つひとつのリスクが単体で起きた場合、マーケットが動かされたとしても影響はたかだか1週間でしょうね。ちょうど2009年に発生したドバイショックのようなものです。原田さんはこれらのリスクがいったい、いつ、どのような形で炸裂することになると考えているのですか」
「端的に言うならば、これらのリスクはまとまってやって来る可能性が日増しに高まっています。もっと具体的に言いましょう。これらのリスクが炸裂するのは今年(2013年)9月後半から11月上旬までの間、とりわけ10月です」
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