知っておこう!福岡人の強烈「地元愛」の実態 当然の「豚骨ラーメン推し」に戸惑う人も
福岡の人には福岡好きが多いとされる。その愛情は、福岡生まれの産品や食文化にも及ぶ。豚骨ラーメンやうどんにとどまらず、セーラー服や3月のホワイトデー、東京発祥と勘違いされている「ひよ子」も、その対象だ。異動で福岡に転入すると、トランプ米大統領のアメリカ・ファースト(第一)ならぬ、「フクオカ・ファースト」に共感を求められるかもしれないので、覚悟が必要だ。
豚骨ラーメンが苦手でも…
うどん、そば、豚骨ラーメンという麺の三兄弟は福岡発祥とされる。もともとは、中世に中国へ渡った高僧が製粉技術を持ち帰ったことに由来するというのが通説で、まんじゅうも福岡が発祥らしい。
アジアに地の利があり、古くから大陸への発着港として栄えた。その歴史が、数々の「発祥の地」となった背景にあり、郷土愛の根源にもなっているようだ。
中でも、豚骨ラーメンは「別格」。そう指摘するのは、群馬県出身の大谷友男さん(43)だ。「福岡人の福岡好き」について話を聞いているうちに、「今まで言えなかったことがある」と本音を打ち明けてくれた。
それは、「本当はしょうゆラーメンが好き」ということ。周囲の「推し」が強くて、なかなか切り出せなかったが、豚骨は、店の排気口から外へ噴き出すスープの湯気さえ「NG」なのだ。
職業は九州最大のシンクタンク、九州経済調査協会(福岡市)の主任研究員。「縁もゆかりもない」という福岡で就職して18年。飲み会のシメは必ず豚骨ラーメンだった。毎回、「回避したい」と思いつつ、「うまかろーが」「うまかろーが」と笑顔いっぱいに迫ってくる福岡県民の上司に「そうですね……」とうなずくしかなかったという。