『an・an』流、女子の"気分"のとらえ方 売れるも売れないも”僅差”だった!

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鉄板の占い特集も、読者の気分をとらえ、「転機」というワードを入れた

たとえば、この特集のタイトルに入っている「転機」という言葉。占いの特集は定番ですが、これは2年前に初めて使った表現です。きっかけは東日本大震災ですね。人生が突然、変わってしまう、そういうときが来るかもしれないという気持ちに、みんながなった出来事でした。

あるいは、今、毎日に閉塞感があって、「もっと幸せになれると思っていたのに、こんなはずじゃないんだけど!」と思っている人がたくさんいるように感じます。そういう意味でも、今、「転機」が渇望されていると思うんですね。

――そういった、今の女子の気分は、どうやってリサーチしているんですか?

読者が普段見ているようなドラマを見たり、読者に直接触れあったりすることですね。中でも、2年前からやっている「an・an総研」という100名の読者組織は、かなりうまく機能しています。

彼女たちには、「結婚したい? したくない?」といったアンケートに協力してもらうのに加えて、誌面やオンライン媒体にも、写真つきで登場してもらっています。彼女たちの本音には、ハッとさせられることがよくありますよ。

それにこういう子たちは、読者であると同時に、自分自身が発信者なんですね。自分がかかわった企画を、ツイッターとかブログという自分のメディアで確実に発信してくれるのも魅力的な点です。

――実際に、この「an・an総研」から生まれた特集もあるのでしょうか。

表紙に人気女優を入れなかったが、好セールスを記録した

もちろん。たとえば最近だと「自分史上最高の脚とお尻になる!」という特集がかなり売れました。3年くらい前から美脚・美尻は人気のテーマだったのですが、少しずつ売り上げが落ちて来たところだったのです。

そこで、今の女子の気分にマッチした打ち出し方ができているのか、「an・an総研」のメンバーに諮りました。すると、キレイな脚になりたいという願望は前と一緒。でも、かつて表紙になった長澤まさみさんや戸田恵梨香さんに対しては、「キレイだけど、どうせ私は、彼女たちみたいな脚にはなれないよ」と。そういう気分でいたんですね。

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