京都なら、浴衣を着て涼しげな場所に絞って行く、東北なら、あまちゃんのロケ地を目指して三陸鉄道で行くとか。名古屋のページなんて、B級グルメだけです。観光スポットはひとつも紹介していませんし、地図すら載せていません(笑)。
――確かにこの脈絡のなさから、女子的なテンションが伝わってきます。そもそも、なぜ読者は、普通に「ダイエット特集」とか「旅行特集」と銘打ったものに飛びつかなくなったのでしょう。
インターネットの影響が大きいですね。これだけたくさんの情報を無料で取れる時代じゃないですか。そんな中で、われわれはおカネを取って情報を売る商売をしようとしている。ネットと同じ切り口でやっても、意味がないのです。
すると雑誌は、読者に対して、もっとコンシェルジュ的になるべきではないかと思います。あなたの悩みに対して、いちばん欲しい情報を、無駄なくお届けする、という感じ。だからこそ的を絞って、そこにいる顧客を徹底的に研究する。でないと、雑誌というビジネス自体、成り立たなくなっていきますよ。
――同じ出版社の人間として耳が痛いです(笑)。おそらく、どの出版社にも、共通する課題ですね。
かなりエッヂを立てた特集にしないと、昔のように買ってもらえなくなりましたね。でも、ネット世代の女子を見れば、当たり前のこと。グーグルで「ダイエット」って検索したら、掃いて捨てるくらいの量の情報が出てきます。
みんな、自分の知りたい内容に合わせて、体の部分とか、「成功談」、「効果アリ(ナシ)」とか、キーワードを足して検索します。こういう人たちを相手にしているのだから、テーマの絞り込みは必須ですよね。
芸能人のマネじゃなく、「自分史上最高」がいい
――具体的には、どうやって表現を選んだり、テーマを絞り込んだりするのでしょう。
実は、過去のデータはあまり重要視していません。もちろん女性の普遍的な興味というのはあります。占いなんかがそうですね。でも、重点を置くポイントは、微妙に変えている。
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