鈴木:仮に育休を取ることが無理だったとしても、たとえば最初の3カ月間は、「土日は夫が面倒を見ることにする」など、ルールとして決めないと駄目ですね。
これは、妻に対して「この家は父親も育児をするのだ」という認識を植え込むためのアピールでもあります。うちの奥さんもそうですが、最初お母さんは子どもを夫に任せることを心配します。夫が何かしようとすると、「やらないで、赤ちゃんが泣いちゃう!」と。だから、せっかく育休を取ったのに、意味がなかったという人も少なくない。
でも、僕は妻の心配を打ち破るくらいに能動的に動いたんです。抱っこできるようになるだけではなく、病院に行く、ミルクをあげるなど。それによって、妻はとりあえず「あ、旦那に任せても大丈夫なんだ」と思うようになります。
これって、何も子育てに限った話ではなくて、たとえば自分が買ったフェラーリを、いきなり奥さんが運転したら、超怖いじゃないですか! 子どもは車よりとてつもなく大事なものですから。でも、奥さんが無理にでも運転の練習をして、こっちに「うわ、すごいうまいじゃん」と思わせたら、いずれ「夫婦共用の車ね」ってことになる。
あとから父が育児に加わろうとしても、もう遅い
田中:夫婦間の信頼関係が大事だということですね。そうしないと、お母さんは自分の中で育児のルールを作っていきます。そこにあとから夫が入っていこうとしても、不安を感じるばかりだと思います。
鈴木:うちの奥さんにも、最初こそ「大丈夫かな、大丈夫かな」とさんざん言われたんですけど、「半年後には1週間海外に行っちゃうんだから」と言い聞かせて。「行きたくない」と、ずっと言っていましたよ。でもそれは、行かなきゃ駄目と、僕は強く言ったんですよね。奥さんのことを応援している人がたくさんいるということを知っていたから。だからこそ、「ちゃんと(仕事に)復帰しなきゃ。それができないなら、辞めたほうがいい、あなたが辞めれば番組レギュラーの座席が1個空いて、その分、他の人がそこに入れるのだから」と。
田中:シビアですが、実際そうですよね。
鈴木:結局、妻は出産後半年で仕事に復帰して、僕も1年の休みを終えて、現在はがんがん仕事をするようになりました。
そして、妻は2016年10月から放映されたドラマ(テレビ東京「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」)を始めたんですね。しかも主演で。バラエティ番組の収録などと比べ、ドラマの主演をするというのは、撮影時間が長い。かなり調整してもらっていましたが、通常の仕事にプラスして週2日間、ドラマの撮影が加わることになります。それを聞いて、最初妻は(ドラマのオファーを)断ろうとしたんです。
でも、僕はそのドラマのスタッフさんや原作漫画を見て、絶対やったほうがいいと思いました。タレントとしては、ドラマの主演として求めてもらえることは本当にありがたい。だから僕は、その代わりに全面的に協力すると宣言しました。今、本当に大変でちょっと後悔しているんですけどね(笑)。
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