鈴木おさむ「僕はイクメンと名乗りたくない」 森三中・大島美幸が産後半年で復帰した理由

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鈴木:僕が子どもを保育園に送っていくのは、9時過ぎ。それから僕は仕事を始めて、11時~お昼くらいから会議が入る。朝ゆっくりスタートする分、夜は遅いですよ。でも、どんなときでも、夜23時以降はフリータイムにすることだけは譲りませんでした。部屋で台本を書いたり、本を書いたりする時間です。

加えて、僕は人と飲みながらコミュニケーションをするのが好きなので、睡眠時間が短くなっても、これは我慢しませんでした。それでも週2〜3回だけ家の近くのバーにするから、どんなに飲んでも朝の準備には遅れないから、っていうことは約束して、妻からOKをもらいました。というのも、人と会って飲むということをしないと、自分というものが壊れていくのがわかったんです。だから、23時から3時まで飲んでも絶対家に帰って、7時には起きて、朝ご飯の仕度をしっかりして9時には保育園へ、という生活をしていました(笑)。

田中:確かに「家庭と仕事の両立」というのは、家庭と仕事の往復しかしないというイメージで、フリータイムをつくるという議論がされてきませんでした。本当は、どこかで休んだほうがうまく回せるのに、休みなくきゅうきゅうの毎日ばかり送っていると、自分が何をしているのかわからなくなります。

「夫婦2人でパズルゲームをしているみたい」

鈴木さんは、とてもうまくスケジュールをやりくりしているように見えますが、コツはあるのでしょうか?

鈴木:僕ら夫婦は、育児のスケジュールを2週間まとめて話し合うんです。この日は撮影が何時までだから、じゃあ僕が迎えに行ってとか、別の日は妻がこの時間に保育園に行けるから、僕の会議を1時間ずらしてもらってとか。まるで2人で、パズルゲームをしているような感覚で、すごく面白い。

「子育てしているからこそ、不倫のドラマは書きやすい」(鈴木氏)(撮影:梅谷秀司)

田中:そのすり合わせを面倒くさがってしまう夫婦って、結構多いような気がしますね。でも、面倒くさがってスケジューリングをしないと、結局追い込まれてしまうわけですから、会話をして、計画練って、という時間をきちんと取ったほうがいいということですね。

鈴木:そうですね。僕ら2人とも、自分がやりたい仕事ができているから、そこまで真剣になれるという部分もあるんでしょう。

田中:子どもが生まれたことで、書く内容は変わってきましたか?

鈴木:今(対談時)、久々にドラマの台本を書いていますが(テレビ朝日「奪い愛、冬」)、これまで見えていなかったことが見えてきた気がしています。子どもとこれだけ向き合っているからといって、子ども番組や子どものための歌を作ることにはまったく興味がなくて。むしろ、今書いているドラマは、不倫モノです(笑)。子どもとの日々と、不倫というテーマは真逆なので、すごくやりやすいんですよ。

※読者の皆様から田中俊之先生へのお悩みを大募集します。仕事や恋愛、家庭生活などで「男であることがしんどい!」「”男は○○であるべき”と言われているけれど、どうして?」というお悩み・疑問がある方は、コチラで受け付けています。次回から、田中先生が皆様のお悩みにお答えします。
田中 俊之 大妻女子大学人間関係学部准教授

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たなか としゆき / Toshiyuki Tanaka

1975年生まれ。2008年博士号(社会学)取得。武蔵大学・学習院大学・東京女子大学等非常勤講師、武蔵大学社会学部助教、大正大学心理社会学部准教授を経て、2022年より現職。男性学の第一人者として、新聞、雑誌、ラジオ、ネットメディア等で活躍している。

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