「ネット依存」に陥る子どもに親ができること 中高生の約8%に依存の疑い
アメリカ精神医学会が定める診断基準「DSM」では、2013年5月からの改訂版に将来追加されるべき診断名として「インターネット障害」が加わり、WHOが定める「ICD」では18年にリリースされる改訂版から正式に、「ゲーム障害」が組み入れられる予定だ。
オンラインゲームや動画閲覧、SNSに過度にのめり込むあまり、生活に支障が出る──。
インターネット依存に関する相談は、ここ10年で急増している。インターネット環境が急速に整い、スマホやタブレットなどの端末が身近になったことが背景にあると考えられる。
久里浜医療センターの樋口進院長は、特に青少年のネット依存を問題視している。
18ページのインターネット依存度テストは、全年齢に対応し、全世界の医療現場で使われているものだ。8項目のうち、5項目以上に該当すれば「ネット依存が疑われる状態」、3項目以上あてはまるなら、「依存の入り口に立っているのでは」(樋口医師)という。
「2013年に行われた厚生労働省の科学研究によると、ネット依存の傾向にある成人は、男性約4.5%、女性約3.6%、合計約421万人いると推計されました。
12年に行われた中高生を対象とした調査では、ネット依存を強く疑われる状態にある中高生は、男子の約6.2%、女子の約9.8%、全体の約7.9%、合計約52万人にのぼると推計されたのです」(同)
青少年がネット依存に陥れば、学業がおろそかになって成績が下がったり、体力が低下したり、生活の昼夜が逆転し、不登校やひきこもりになったりするケースもある。
「まるで部活のよう」
起きるのは昼ごろ。パソコンを立ち上げてゲームにインし、夕方5時からはオンラインの強豪プレーヤーと競う。夜8時からは所属チームで練習試合を2時間ほど行い、10時から11時の間に食事と風呂を済ませ、12時からもう一試合。録画したプレー動画を見ながら反省会を行い、課題を研究する。その後別のゲームに興じ、午前2時か3時ごろ眠りにつく──。
都内の大学4年生のAさん(23)は、13年から約2年、オンラインゲーム漬けの日々を送っていた。