実印や認め印、何が契約書で使えるハンコか 法的効力の違いとは

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契約書にインク浸透印で押印しても、契約は成立しないのだろうか。

「契約書に押印されたものが、実印か認め印かインク浸透印であるかは契約の成否に影響するものではありません。

もっと言えば、押印がなくても、契約当事者が合意していたのであれば、大半の契約は成立します」

合意の存在が争われた場合に違いが

では、どの種類で押印しても扱いは同じということだろうか。

「実印で捺印された契約書、認め印で捺印された契約書、インク浸透印で捺印された契約書は、契約当事者が『自分は契約なんかしていない』と言い出し、合意の存在を争ってきた場合に違ってきます。

実印が他人と共用されることはないでしょうから、実印で捺印された契約書は、『契約当事者本人が押印した』と容易に推定され、当事者が合意の存在を立証しやすくなります。

これに対し、契約書に捺印されたものが社会に多数出回っているインク浸透印によるもので、また契約者の名前もワープロで打ち出されたようなものであれば、実際に本人が押印したものか否か、契約書だけからは判別できなくなり、合意の存在の立証が困難になる場面も生じます。

この意味で、実印にて押印してある契約書は、後々、トラブルになる可能性が少ないと言え、信用度が高いと評価できるでしょう」

※当初、インク浸透印を総称して「シャチハタ」と表現していましたが、特定企業の登録商標と関連しているため、「インク浸透印」と改めました。

山岡 嗣也(やまおか・つぐや)弁護士
関西大学法学部卒。平成18年弁護士登録。広島弁護士会。
広島県呉市の弁護士。主な著作(共著)は、「Q&A会社のトラブル解決の手引」(新日本法規出版)、「談合被告事件・副市長の職を奪った冤罪事件」(季刊刑事弁護2009年60号)
事務所名:山岡法律事務所

 

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