年功序列は、ついに本格的な終焉に向かう

「同一労働同一賃金」ガイドラインを読み解く

企業の賃金原資は限られており、特に、賞与の原資は一定のものしかありません。その中で、これまで正社員で分け合っていたものを非正規についても分配するということであれば、正社員の中から不満が出ることも、当然想定されます。そうすると、形式的に同じ仕事を担当していたとしても、企業にとってミスマッチと考えられる人材の「出口」を規制緩和することが必要になってくるのです。

現在の解雇規制では、ミスマッチ人材の解雇が非常に困難であり、辞めさせることができない一方で、ミスマッチ人材に賃金原資を過度に分配することが本当に正しい政策なのか、あらためて考える必要があると思います。

労働法体系全体の見直しが必要

そこで、日本においても「同一労働同一賃金」というごく一部の政策だけをまねるのではなく、解雇規制や労働時間規制をはじめとする労働法体系全体の見直しを行う必要があるでしょう。2017年には、長時間労働の総量を規制する法改正も予定されています。もちろん、労働者の健康を守り、不合理な非正規差別をなくすことは重要なのですが、一方で忘れてはならない視点があります。

それは、日本企業だけが、世界で最も厳しい法規制にさらされてはならないということです。新年に向けての課題、それは単に「同一労働同一賃金」という局所的な視点で物事を語るのではなく、解雇法制も含めた労働法の全体をみること、そして、単なる国債の発行ではない、根本的な経済振興策とセットで実施することだと言えるでしょう。

現在の働き方改革に代表される、非正規雇用の処遇改善と日本企業の成長戦略は相反するものではなく、この両者のバランスを取った政策こそが求められると考えています。

「なぜ、日本の正社員は非正規社員よりも給料が高いのでしょうか?」そんな問いをもって、本年の連載を締めくくりたいと思います。

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