ブラックなのはすべて経営者のせいか?

仕事における「責任感」を考える

結局、責任感を持つということは、それだけ自分の人生を犠牲にし仕事に打ち込むことなのかと言われそうですが、おおよそそのとおりです。であれば次に出てくるのは、冒頭のマイナス面の弊害、たとえばワークライフバランスが崩れて生活が破綻することへの危惧かもしれません。

でも私は、そこは逆ではないかと思います。仕事の無駄の多くは非効率から来るものです。仕事ができるようになればそれだけ効率的になり、そして余力もできてきて、それこそがワークライフバランスにつながるのではないでしょうか。結局、ワークライフバランスとは求めるものではなくて作るものだと思います。

また、そもそもワークライフバランスとは、つねにワークが優先されてがっかりとか、ライフが優先されてのんびりとかいう話ではなく、自分のキャリアのフェーズによって変わっていく「動的」なものではないでしょうか。社会人になって最初の3年とか、あるいは転職して最初の1年とかはワークが優先されるが、家族が増えた数年の間はライフを優先する、などです。あまり「静的」にワークライフバランスに着目しても意味はないと思います。

まあ言うは易しで、今のところ私の仕事人生は残念ながらつねにライフよりもワークが優先される日々ではありましたが……。

自分がブラック企業にいたらどうか?

さて、ここまで責任感のプラス面を述べてきましたが、実はその内容はマイナス面に対する反論ではありません。プラス面について、マイナス面と並行する概念として「マイナスもあるがプラスもある」と語っているだけです。

そうなると議論はどこまでも平行線で、私の主張への典型的な批判は、「そうはいっても自分がブラック企業にいたとしたらどうなのよ」ということでしょう。いかに個人が努力したとしても、ブラック企業は個人を使い捨てるものだし、そもそも個人のストレス耐性もそれぞれだから、責任感が奏功する場合は限られているだろうという反論です。

とても難しい問題だと思います。正直なところ、うまく答えられる自信はありません。でも私はこれまでのキャリアの中で、潰れそうな会社と何度も付き合ってきました。その中にはブラックと呼ばれるものもあったかもしれません。接してきたケースは確かに経営する側に大部分の責任があり、実際、再建局面では経営者には相応の責任を取ってもらうこと(退任、連帯債務履行、保有株式の無価値化など)がほとんどでした。

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