ブラックなのはすべて経営者のせいか?

仕事における「責任感」を考える

会社というのは鰻のタレ

一方で誤解を恐れずに言えば、ブラックがブラックたるゆえんが、すべて経営者のせいかというと、そうとも限らないと思います。

再生企業に共通する傾向はたくさんありますが、その典型は「他責人材の多さ」、要するに企業をダメにしているのは自分でないと思っている人がたくさんいることだと感じます。

でも再生を必要とするくらい危機に至っている会社は、ほんの少しずつであっても社員一人ひとりに責任があるのです。物事をすべて経営者のせいにするのは簡単です。でも会社というものは糠床や鰻のタレみたいなもので、そこに棲んできた人たちが連綿として築き上げてきたものです。責任感は持つとか持たないとかではなくて、その組織に棲んでいる以上、所与のものだと思います。

人は自分の経験からしか語れません。その意味で、私の主張は万人に共通する話でもないのかもしれません。でも私のみた現場の現実は、明らかに仕事に責任感を持たないことが不幸になっているケースのほうが多いように思います。

私はマッチョな精神論を語っているわけではありません。道徳論を述べているわけでもありません。責任感の持つ2面性のうち、自らの損得をベースに功利的に考え、そして組織というものの構造を考えていくと、責任感は持たないよりも持つほうがおいのではないかと信じています。それ以上のものではないし、もちろんそれ以下のものでもありません。

※ 本文は筆者の個人的見解であり所属する組織・団体を代表するものではありません。

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